推しのライブのために神戸へ。
神戸は若い頃に行ったことがあるけれど、お買い物やお茶するのが好きではないので、ライブ以外の時間をどう過ごすかが悩み。
新神戸駅のそばに気になる博物館を見つけました。
竹中大工道具館
竹中工務店が作った財団法人が運営している大工道具の博物館。当初は中山手にありましたが、2014年から現在の場所に移転。
大工道具だけでなく、ものづくりの技術などの展示があります。
中卒の大工の父は「女が勉強できても仕方ない。高校出たら働け」と、私が勉強するのを嫌がっていましたが、高校時代に我が家の経済状況が、バブルの影響で劇的に改善されて、私は大学に進学できました。
たばこもギャンブルもしない父は、今ではアパートをいくつも持つプチブル^^
そんな生い立ちをもつ私ですが、家が建ちあがっていく様子を見るのは好きです。
ビルよりも普通の家のほうが面白い。だから、近所の工事現場は気になって見てしまいます。
なので、こちらの博物館はドはまり。
道具がたくさん
道具の歴史の展示から始まり、大工道具がずらりと。
「家にもあったなあ」と懐かしく思いながら、墨ツボなどを見る。
父親が現場から帰ってきたら、ライトバンから道具箱を下ろして、道具を片付けるのを手伝わないといけなくて(定期試験前でも)、道具の名前を覚えたんですよね。
レンチを「モンキー」、一輪車を「ネコ」と言って、技術家庭の先生に驚かれた。
こちらに展示されているのは、どれもよく手入れされていて、奥には名工の逸品もあります。
模型がたくさんあって楽しい
木はいい匂いがしますよね。
「棟梁に学ぶ」というコーナーで、もの作りに真摯に打ち込む姿勢に頭が下がります。
大好きな木継ぎの模型がたくさんあって、試せるのがこれまた楽しい。
何度か見てるのに、いつもどうなっているのか忘れて四苦八苦。
多分、父はこれは作れないなー。
戻せるか焦ったけどちゃんと戻せました。
組子は釘や糊を一切使わず作られます。すごすぎる・・・
「色実の違う木材を使い、「三つ組手」や「送り卍組」に加え、浮遊した頂点や曲線を組み合わせたアラベスクや花柄には繊細な象嵌を施している」と説明文にありました。
ロビーで井波彫刻の企画展もあって、以前、木彫を習っていたのでこれまたすごく楽しい。
超絶技巧の数々。(たしか、先生が井波で修行していたと言っていた気がする)
祭り彫刻として、曳山の鏡板の展示がありました。
初代岩倉理八(1788-1862)1850年の作品です。
中国古代の伝説上の馬医、馬師皇が龍の病気を治した場面を描いています。
馬師皇が龍の唇の下に針を刺し甘草湯を飲ませて治療したそうですが、口の中に手を入っているんですよね。
欄間の彫刻もこれまたたくさんあって・・・
欄間彫刻って、裏はアドリブで彫るんですって。
彫刻全体の輪郭を決める最も重要な作業が荒彫りで、親方の仕事。これで8割が出来て、その良し悪しが決まるそうです。
弟子が修行として、仕上げ彫りと加飾彫りを同時に進めながら仕上げるそうです。
最後に外周の覆輪加工後、木と木を連結していた「つなぎ」を取って完成です。
老眼になったのと、指先に力が入らなくなって木彫をやめてしまったけど、素晴らしい作品を見ているうちに、またやりたいと一瞬思う。
でも、すぐに「素晴らしい作品を見ても、自分が作れるはずないのに」とすぐ考え直す。
一滴庵の見学
館内の無料のガイドツアーもありますが、ちょうど一滴庵という茶室の公開にあたり、こちらも説明付きで見学させていただけて、とても楽しかったです。
茶室建築の基本を教えてくださったのですが、メモを取らなかったのですっかり忘れる。燈籠や手水鉢の石についても教えてくださったのに・・・
一緒に回った若い女性は熱心にメモを取っていた。学生さんかな?
とても楽しかったので、お薦めです。新幹線の時間が余ったらまた行きたい。
「とんぼ玉ミュージアム」
ライブ開始まで少しだけ時間が余ったので、旧居留地にある「とんぼ玉ミュージアム」にも行きました。
古代ガラスのコーナーは撮影禁止ですが、古代のガラス玉もすごいと思う。
現代作家の作品も展示してありました。
今回の展示の作品もきれいでした。
ペーパーウエイトなのかな?
こちらの美術館では、作家さんの作品やガラスのペン、トンボ玉なども販売しています。製作体験もできますが、例のごとく「素敵」から「欲しい」までが遠い私はさっくり退場。