福岡は何度か旅行していますが、博多市内の遺跡はついつい後回しになっていました。
今回は奴国に行ってきましたよー。
福岡市埋蔵文化財センター
福岡市埋蔵文化財センターは、遺跡から発見された出土品の保存処理、収蔵、展示を行い、また図書室を備え公開講座など教育普及の活動もしています。
展示室は3つ、入場無料です。
私は歩いていきましたが、博多駅バスターミナルから41番雑餉隈営業所行バスで30分乗車、「板付中学校前」バス停下車するとすぐ目の前です。
もしくは、西鉄雑餉隈駅から徒歩15分、JR南福岡駅から徒歩25分とパンフレットに書いてありました。
弥生人の平均身長は男性163cm、女性151cmでした。
私は弥生人の平均身長よりも小さいのか・・・膝を折り曲げたら余裕でこの中に入れますね。
あっさりと見学を終えて、またまた40分近く歩いて春日市の須玖岡本遺跡と奴国の丘歴史資料館へ向かいます。
奴国の丘歴史資料館
資料館は入場無料です。リーフレット的なものがありませんでした。
館内を自由に見学します。
民具の企画展示もありましたが、そこはスルー。
九州の博物館って写真撮影が自由なのがいいですね(説明のパネルなど写真に撮って後から復習することもできます)。
銅戈や銅矛、銅剣など武器も多く出土しているのはやっぱり倭国大乱と呼ばれた戦乱の時代があったからなのでしょうか。
春日丘陵には弥生時代の遺跡が多数見つかり、奴国の大きさを物語っています。
魏志倭人伝には奴国は二万戸という人口の多い大国ですからねー。
須玖岡本遺跡からは、王墓だけでなくガラス工房跡、青銅器製造工房跡なども見つかり、威信財として奴国王が首長たちや周辺の国々に下賜したことも考えられます。
展示を見ていて、へぇーと思ったこと。
この時代にはまだのこぎりがないので、木材の使用は斧で割っていたとか。
奴国の王墓
こちら須玖岡本遺跡には、奴国の王墓と考えられる遺跡があります。
この王は、あの金印で有名な「漢委奴国王」を下賜された奴国王より数代前の王で、伊都国の三雲南小路の王と同時代と考えられています。
今回はこの後金印を見たり、伊都国にも行ったので、なんだかワクワクしましたよ。
王たちは会っていたかもとか、せめて使者をやり取りくらいはしていたんじゃないか、とか空想するのが楽しい。
甕棺の中に膝を折って座り、鏡や大刀などの副葬品を抱えて眠っていたのですね。
明治32年に住宅建設のために大石を移動して掘ったときに、甕棺が発見され中から大量の銅鏡などが出土したそうなのですが、この時の出土品は各地に散逸してしまったとのこと。
残った情報を統合すると、鏡は、草葉文鏡3面、青雲文鏡5面、連弧文照明鏡4面、連弧文清白鏡8面など大量で、かつ草葉文鏡は直径が20cmを超え、中国でも出土例が稀なものだったと伝わっています。
鏡以外にも勾玉やガラス玉などの装身具だけでなく、銅矛、銅戈などの武器も副葬品とされていたようです。
明治時代でさえ発見されたものが残っていないこともあるから、もしかしたらとっくの昔に卑弥呼の墓って盗掘されて破壊されて残っていないだけなんじゃないかしら。
「奴国かわらばん」
「奴国かわらばん」というチラシがあったので頂きました。
その中に載っていた「権(おもり)」の説明に驚く。
重さの基準は韓国で発見されたものと同じ約11.4gで、1?・3・6・10・20・30倍があり、権の組み合わせで十進法を使用して重さをはかっていたことが分かるそうです。
交易もしていたから重さを計ることも当然あっただろうし、もしかしたらそれを記録するために文字も使っていたかもしれない・・・
子どもが地中レーザー探索の体験をしたとの記事に羨ましくなりました。
奴国の丘歴史公園
資料館の隣は公園になっています。
勘違いしていたのですが、須玖岡本遺跡というのは一か所ではなくて、須玖岡本地域に数回に分けて発掘調査をして発見された場所の総称のようです。
公園内には、奴国の王墓の大石が移設されていました。
甕棺墓は甕棺を合わせるのではなく、木で蓋をしていたようです。
写真では木棺墓が写っていないのですが、鉄剣が出土し甕棺墓や土壙墓よりも古いことが判明しています。
左手の竪穴遺構は、墓地の一角に作られていることや柱穴が竪穴の周囲に配されているなど他の住居跡と違う点から埋葬と関係した建物であった可能性もあるとのことです。
弥生時代人も埋葬の際に祭祀を行っていたのかもしれません。
須玖岡本遺跡
このあと、JR南福岡駅まで戻りながら点在する遺跡あとを見て周りました。
数が多くて立ち寄ったのは数か所だけです。
このように〇次調査の跡というように説明が書かれたパネルが多くありました。
後日聞いたのですが、自分の土地から何か出土したら調査費用は自分もちとのこと。
春日市は掘ったら何か出そうなのでここには土地は買えないなー。
(買えるわけないけど敢えて言う)