亡き夫さんが20年以上前に奈良の寺巡りをしていた旅日記を見つけ辿ってきました。
ほとんどが奈良の寺だったけど、東寺にも行っていたので、新幹線に乗る前に寄ってみました。
東寺
京都駅に荷物を預け、東寺まではブラブラ歩いて15分ちょっと。
夫さんは東寺については、絵葉書やパンフレットを貼っただけでコメントはない。
多分飽きたと思われる。すごく夫さんらしい。
ハガキを買ってはっているところを見ると、これらの仏像が気に入ったのかも。
なんとコメントするのか読みたかった・・・
金堂と講堂の仏像を見ながら、夫さんがどう思うかを予想する。
講堂は、立体曼荼羅になっていて、如来部・菩薩部・明王部に国宝と重文の仏像が配置されています。
私も夫さんがハガキを買った梵天と帝釈天はきりっとしたお顔がいいと思う。
金堂は薬師三尊がどどーんと鎮座していて、すごくありがたい感じです。
薬師三尊の台座に十二神将がいるのもよりありがたい感じ。
新幹線からも見えますよね。象徴のような五重塔。
初層の特別公開にいつか来たいと思う。
この頃からまた雨が降ったりやんだりの不穏な天気になりました。
観智院
東寺とのセット券があったので購入。
別格本山とあり、東寺のお隣にある観智院も見学しました。
こちらは「真言宗の勧学院、大学の研究室のようなところ」(ネットから引用)
果宝という江戸時代の僧は特に優秀で、東寺に伝わる色々な書を編纂しました。
建物は慶長年間に建てられた客殿(国宝)などが残っていますが、写真撮影不可でお庭のみ撮影OK。
庭から五重塔が見えます。
五大虚空蔵菩薩像が並んでいるところは圧巻でした。
虚空蔵とは、無尽蔵、広大無辺の知恵を無尽に蔵していることを言う。五大虚空蔵はその知恵を5つに表したもので、息災増益の祈願のための本尊となっています(パンフレットから要約)
唐時代のもので、重文です。
右から、獅子、象、馬、孔雀と迦楼羅(かるら)に乗っています。
こちらの観智院には、一時期宮本武蔵がかくまわれたことがあったそうで、宮本武蔵が描いた襖絵もありました。
深草北陵
東寺の見学を終え、新幹線の時間までまだ3時間くらいある。
そこで、京都でも天皇陵めぐりをしました。
近鉄東寺駅から竹田駅まで移動して、バスは1時間に1本しかないので30分程度歩きました。京阪の藤森駅からは徒歩16分です。
住宅街の中を歩いていくとありました。
ここは、深草十二帝陵とも言われる歴代12人の天皇と栄仁親王の陵墓です。
伏見天皇:第92代。後深草天皇の第二皇子、持明院統。「書聖」と称されるほどの能筆家
後円融天皇:北朝5代天皇、持明院統。足利義満の従弟、后が義満と密通していると疑い暴力事件を起こす。
後小松天皇:北朝6代、南朝の後亀山天皇から三種の神器を譲り受け南北朝統一し、100代天皇となる。とんちで有名な一休さんは後小松の御落胤との説あり。
称光天皇:第101代。後小松の第一皇子、12歳で即位するも父帝の院政下で事跡なし。
後土御門天皇:第103代。応仁の乱が勃発し、財政逼迫。崩御後も葬儀ができず、ご遺体は40日も放置されたという。
後柏原天皇:第104代。財政逼迫のため即位後20年以上即位の礼行えず。
後奈良天皇:第105代。後柏原天皇の第二皇子。10年以上即位の礼行えず。上杉謙信は上洛して天皇に忠誠を誓っています。
正親町天皇:第106代。毛利元就らの献金で即位の礼を行う。信長、秀吉が政治利用。秀吉に豊臣姓を賜る。
後陽成天皇:第107代。秀吉の下で権威が高まるが、家康の政権下では皇室は不遇に。
その縁でこの陵に合葬されたのでしょう。
鎌倉時代末期から江戸初期までの300年以上にもわたる長い年月の天皇が合葬されています。
皇室LOVEの私でも、この時代はあまり知らなくて簡単にメモしておかないと、何をした天皇だかわからなくなります。
歴史オタクといえど、鎌倉時代から室町時代はあんまり詳しくないです。
ほぼ、持明院統(北朝)系の天皇ですが、室町時代は財政難で葬儀や即位礼が行えないという大変な時代もあったようです。
天皇の宸筆も、お金や食べ物を持って行けば簡単に手に入ったそうです。
深草陵
深草北陵の南徒歩10分足らずのところに、平安初期の第54代仁明天皇の量があります。
ここまで来たからには行きましょう。
住宅街の中を抜けていきます。
嵯峨天皇の皇子、兄の淳和天皇から譲位され天皇になります。在位中は平和なようで、藤原氏による他氏排斥の動きが高まりつつありました。
これまでで合計63代(北朝2人も含む)の陵墓にお参りしたことになります。
深草北陵や月の輪陵のように合葬されていると、一基で何人もの天皇の陵墓に行ったことになりますが。
ということは、昭和天皇まで124代なので、残り63代の天皇陵があるので、機会があったら周りたいと思います。
たまに淡路島(第47代淳仁天皇。配流先で葬られた)とかあるから、全ては難しそうです。
夫さんの旅日記を辿る奈良旅といいつつ、個人的趣味も楽しんだ旅行でした。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
この後はしばらく暑いから家でじっとしています。