私の生涯の目標の一つに「なるべく多くの世界遺産を見る」というのがあり(年々増えていくのでコンプリートは初めから諦めています)、今回端島(通称軍艦島)へ行ってきました。
上陸ツアーのブラックダイアモンド号
今回申し込んだのは、上陸するツアーの「ブラックダイアモンド号」の午前便です。
ただ、ちょうどこの頃沖縄近海に猛烈な台風2号(この後本州に線状降水帯を発生させた災害級の台風)が来ていました。
乗船の時からすでに「最新の状況で上陸するか判断します」と言われるほどで、実際外海に出ると波が高くて少し不安でした。
8:50までに受付を済ませ、乗りこみます。
それほど大きく見えないのに乗員あわせて200名乗りました。
集合が早いのか9:10出航予定が9:00には全員揃ったからと出航。
ドックにはイージス艦がいました。
長崎港は湾の奥深くに続いている形です。
外海に出ると波が高くて船が揺れ出して、今日は無理かもしれないと思い出す。
高島に上陸・見学
35分ほどで、高島という島に上陸。
ここで30分弱、トイレ休憩と端島(軍艦島)の模型で説明を聞き、石炭資料館を見学します。
端島は、岩礁地帯だったところから石炭が採掘できることがわかり、佐賀藩時代から小規模の採掘がおこなわれていましたが、1890年三菱の経営となってから大規模に採掘を始めました。
1916年に日本初の鉄筋コンクリートのマンションが作られ、最盛期には約5,300人が住み、東京の9倍もの人口密度でした。
1974年1月に閉山し、同年4月から無人島になりました。
1/100の模型で、高さについて忠実に再現しているそうです。
今回も上陸する予定の桟橋から石炭が積みだされる様子が分かります。
手前の水色の四角はプールです。ただ、島内は真水が貴重だったので、海水プールでした。
手前海沿いの高い建物が鉄筋コンクリート造りのアパートで、青い屋根の建物は映画館。もらったパンフレットとガイドさんの説明を聞きながら見学しました。
この角度だとわかりづらいですが、すっごく斜めです。
高島から、端島まで海底ケーブルで電気が供給されていました。水は当初は海水を蒸留していましたが、後に給水船が来たそうです。それでも、潤沢ではないので幹部以外の家にお風呂はなく、公衆浴場も上がり湯以外は海水だったそうです。
いよいよ端島へ
高島からは5分ほどで端島につきます。
ブラックダイアモンド号は10:30にならないと着岸できないとのことで、それまで周回して島の全容を見ます。私は二階(屋上?)にいましたが、高島を出る頃から雨が降り出して、多くの人が一階の室内に入ってしまいました。
ちなみに端島では傘はさせないので、天気があやしいときはレインコートを持参しましょう。
テレビで何度も軍艦島特集を見て(サンドイッチマンの「博士ちゃん」という番組が特に印象に残っています)、軍艦島についてはけっこう知っているつもりでした。
でも、いざ実際に自分の目で見ると、今は廃墟ですが、これが戦前から作られた高層建物だと思うと感慨深いです。
当時最先端の文化的生活を送っていた島民のみなさん、ただし、危険で過酷な炭鉱労働をしながらという。
学校の左横の山の斜面に緑が見えますが、これは無人島になってから鳥が運んできた植物が茂ったそうで、炭鉱があるときはこの島には緑がありませんでした。
そのため、子供の教育のために屋上菜園を作って、植物を子供たちに見せたと言っていました。(この島で生まれ育った子は植物を知らないまま育つことになるため)
先行する船が着岸していたし、晴れ間も出てきて、案外大丈夫じゃないかと思ったりして。
山の裏側の西岸の建物は比較的多く残っているのですが、南側は台風などの直撃を受けやすいので建物の劣化が早いと言っていました。
山の上に神社の祠が残っているのが見えます。
この角度から見ると「軍艦」により見えるとのこと。
今回のツアーに元島民の方はいらっしゃらなかったのですが、元島民の方は「軍艦のように見える」という言われ方がぴんとこないとガイドさん談。
島を外から見ることはあまりないですからね。
時間になったので、桟橋に近付いていきます。
残念・・・
雨もやんだし、上陸できるとワクワクしていましたが、悲しいお知らせが。
波の高さが基準値を超えたので上陸できないとのこと。ガッカリです。
ブラックダイアモンド号は、このまま長崎港へ戻ります。
みなしょんぼりとしていました。
でも、周回しながら建物はけっこうしっかり見られたから良かったです。
マンションが載っているような豪華客船が寄港していました。
本当なら長崎港に12:10ごろに到着するはずが、上陸しなかったので11:15ごろには長崎港に戻りました。
上陸しなかったので、端島の利用券310円は払い戻されました。
友人と一緒に行こうねと言っていたのに、抜け駆けしたバチが当たったのかも。
また今度友人と来たいです。
次こそは上陸したい!