成田から12時間強、15時間の時差を乗り越え、私たちのツアーはメキシコシティに着きました。本当に長時間の飛行機ってつらい。
12時20分くらいに着陸したのに、飛行機から出るまで、入管、荷物が出てくるまでとそれぞれが時間がかかり、空港を出てお迎えのバスに乗るまで1時間半以上かかりました。
現地ガイドさん(私たちは36名の大所帯だったのでガイドさんは2人。日本人の現地ガイドさんNさんとメキシコ人の自称ゴンちゃんことゴンザレスさん)が言うには、「今日は早いですね。かかるときはバスに乗るまでに2時間以上かかることもありますよ。それもメキシコ時間だと思ってください」とのこと。
バスは、ホテルではなくまず市内観光へ。
ソカロ広場
400×400mの世界最大の広場で、大聖堂や国立宮殿、テンプロ・マヨール(アステカ時代の神殿跡)などがあります。
土曜日の午後で広場は人・人・人。時差ボケで眠いけど、はぐれないように皆必死でついていきました。
メキシコシティは標高2,240mもあるので、緯度は低いですが(北緯19度。台湾よりももっと南)涼しくて過ごしやすい気候でした。
メキシコは建物はヨーロッパ風ですが、人々が本当に様々でした。
ガイドさんの説明によれば、もともと先住民のインディオの人たちは日本人と同じモンゴロイド系(蒙古斑もでるそうです)、スペインの植民地となったことからラテン系の白人も多く、その混血のメスチーソが最も多いそうです。
肌が褐色に見えるのは日焼けしているからだそうです。黒髪で小柄な人が多いような気がしました。
国立宮殿の内部には、ディエゴ・リベラの壁画もあるのに今回のツアーでは見学しません。残念です。
羽飾りをつけ、仮面をかぶった人がお香のようなものを焚きながら大音量で踊っていました。ガイドさんが言うには「土着の宗教を信仰している人たちのパフォーマンス」とのことです。
テンプロ・マヨール(大神殿の意味。アステカ時代の神殿跡)
現在のメキシコシティは、アステカ帝国の首都ティノチテトランの上にあります。
16世紀にスペインによってアステカ帝国が滅んだ後、アステカ時代の建物は破壊され、その上にスペイン人により植民都市が作られました。
かなり徹底的に壊したので、アステカ時代の文化は痕跡もわからなくなってしまっていました。
1978年に工事中にソカロ広場の地下からレリーフが施された石が発見され、これが伝説のアステカの神殿では?!ということで発掘調査を進めたところ、地下から大神殿の遺跡が見つかったそうです。
発掘現場は整備されていますが、イメージとしてよくわからないので復元模型で説明を聞きます。
巨大な神殿は、増築を重ねて中にいくつもの神殿がマトリョーシカのように入っているそうです。
ティノチテトランは大きな湖を干拓した島に造られた都だったそうです。スペイン人がその後大規模に埋め立てて今は島ではなく、高原の盆地となっています。
知ってはいたけど、これからたびたびスペインの侵略の話がでてきました。
ひどいことするなー、と言うのが正直な感想です。
メトロポリタン大聖堂
エルナン・コルテスというスペインの極悪人によってティノチテトランが陥落した後に造られた大聖堂で、完成までに250年ほどかかったため、ゴシック、バロック、ルネサンスなど色々な建築様式が混在するそうです。
ミサが行われているときは入れないそうですが、タイミング良く見学できました。
この黒い肌のキリスト像は、現地の先住民に似せたとか、毒を吸い取って治したため肌が黒くなったとか諸説あります。
金箔がふんだんに張り付けられた祭壇と多くの聖人たちの彫刻が素晴らしかったです。
国民の90%近くがカソリックというメキシコ、熱心にお祈りされている方もいるので失礼のないように・・・と思っているのに、祭壇の前に奥様を立たせて大声で指示して写真を撮る人って何よーと思う。同じ団体さんとして恥ずかしい限りです。
左手中に見える巨大なパイプオルガンはドイツ製。
本来は湖だったティノチテトランを干拓して街ができたため、メキシコシティは地盤が弱いそうです。そのうえ地震もあったため、大聖堂は目でみてはっきりわかるほど傾いています。
世界遺産「カミノ・レアル・ティエラ・アデンドロ」
アメリカ合衆国のニューメキシコ州からメキシコシティまで、16世紀末から19世紀末まで銀を運ぶために造られた道で、全長2500kmもあるそうです。
パンフレットにはメキシコシティ観光の一部に書いてあったので、どんな感じだろうと思っていましたが、ガイドさんがいうには「この道が銀の道です」という。
もちろんありません。ガイドさんがメキシコからアメリカまで続く道の一部がここだというのならそうなのでしょう。
人込みの中、道を渡るときなど大勢なので大変で。
音声ガイドで現地ガイドさんが指示を出してくれても写真を撮っていて聞いてない人もいるし、車は基本信号あまり守らないし。
ガイドのNさんの後をついていく私たちを、ゴンちゃんが「ドゾドゾ、コッチネー」と車を停めながら誘導してくれて、添乗員さんが数を数えながら進んでいたのですが人数が合わずゴンちゃんと添乗員さんが戻って探しに行くこともしばしば。
団体旅行ってこういうのが疲れる・・・
車窓からの観光
バスから見るだけの観光も多かったです。
伊達政宗の命をうけて、ヌエバエスパニヤ(新スペイン・メキシコのこと)と交易を求めてメキシコにわたった支倉常長たちが滞在したという青いタイルの家。
Nさんに薦められて今遠藤周作の「侍」を読んでいます。(支倉常長が主役)
Nさんは説明も丁寧だし、話は面白いし、メキシコに関係する小説を薦めてくれたりと良いガイドさんでした。(それなのに寝不足でバス移動中はほとんど寝てばかりで大変ごめんなさい)
アールヌーボーの美しい建物。内部はアールデコで、リベラやシュケイロスなどの壁画で飾られているそうです。
メキシコがたどった三つの文化が見られる広場ということです。
①アステカのトラテルコ(商業都市)の遺跡
③現在は近代ビル群が建っている
遺跡も教会も入場して見学できるようです。
ツアーはなんだかダイジェスト版のようです。
1時間半ほどの歴史地区観光を終えて、17時過ぎにはホテルにチェックイン。