朝3時に起きた時に外は雨、さらに十勝岳の天気予報も雨(前日の予報は曇りのち雨だったので、午前中に登ってしまおうと思っていた)、朝に弱い師匠はテンションだだ下がりで「どうしよう、やめようか」の連発。
二度寝して、5時にもう一度起きると外の雨は止んで、
天気予報も午前中は曇りになっている。
「登山口まで行くだけ行ってみて、そこで考えよう」と言い張り出発。
あんまり乗り気じゃない師匠に対して、私は旭川での観光よりも
せっかく来たんだから登ってしまおうと登山を主張。
動物が好きでないから旭山動物園もまったく興味がなかった。(笑)
だけど、曇りの中登っても眺望期待できないんだけど。
一番簡単なルートの望岳台コースを選び、登山口の望岳台を目指すも、
白金温泉を過ぎたところでナビが案内したのは「工事中」で行き止まりの道。
もう一度966号に戻ったらちゃんと着けました。
今回のレンタカーのナビはちょっとおバカで北海道で快適にドライブ中なのに「この先、渋滞があります」とか突然言ったりする。(前後に車なんていない道なのに)
今回のナビも工事中の情報が入って無かったからだと思うけれど、
師匠は「あの時は正直登らなくてすむと思ってほっとした」と言っていた。
望岳台の駐車場には7時ごろ到着、すでに車は20台くらい停まっている。
霧雨が降っている。ここで雨なら上では本格的な雨かも・・・
レストハウスで入山届を書いて、トイレに行く。
すでに何人か登っている人もいる。
どうしよう・・・
同じように迷っている人たちが何組も。レストハウスから外を見ている。
でも、雨がそれほどでもないので登ることにしました
駐車場にいた奥様に「登るの?」と聞かれた。まだ迷い中のご夫妻。
登山口の望岳台(8:00)霧のため十勝岳を望むことはできません。
歩き始めはゴロゴロ火山礫のゆるやかな道。
十勝岳温泉の白銀荘との分岐(8:28)まだ緩やかな道です。
広い霧の中でペンキの印を頼りに進んでいきます。
美瑛岳との分岐(8:47)ロープで道が分かりやすいです。
少し傾斜がついてきました。砂混じりのレキレキ道です。
いよいよ急坂になってきました。岩をよじ登っていくと避難小屋に着きます。
避難小屋でしばし休憩。
小屋の後もしばらく急坂。それほど長くもなく大変な坂ではないです。
稜線に出ると右手に雪渓が。
稜線はゆるやかな砂礫の道です。急登と緩やかな道と緩急がある山でした。
雨はそれほど強くならず、霧雨、霧といった感じ。
ばりばりインドア派で家の中で本を読んだり編み物してる子供だった。
ランニングを始める前は、雨の日に外に走るなんて信じられなかった。
練習は雨なら休むけど、大会は多少の雨でも普通に決行。
登山も、レインウエアを着て少しの雨なら歩いてしまう。
(注)雷にあったことがないからです。雷鳴ったら基本歩いてはダメなはず。
雪山に挑戦する気は全くないけど、雨の中を活動するなんて大人になったなあとしみじみ。
霧で分かりづらいのですが火口のようです。
たびたびある標識。これが無いと不安になるくらいの霧。雨ではないのですがひたすら霧。
歩きやすい砂礫の道。乾いていたら歩きづらいのかもしれないですが雨でしまっていたのかも。
砂浜のような道。トレーニングの様ですがゆるやかなので辛くないです。
晴れていたら眺望がよくてきっと楽しいであろう道。
左手に大きく深い雪渓、落ちたら上がってこれなそう。昭和火口があるはずですが分からず。
細い尾根を乗り越え、頂上の手前は岩だらけの急登です。
左手には美瑛岳が見えるはず?
十勝岳2077m、頂上です(10:49)全く眺望はありません。
左手上にに見える「光顔巍々」の石碑。
ネットで調べたところ、「十勝岳頂上の「光顔巍々」に関わった人々」というページを見つけました。
この碑はざっくり書くと十勝岳が登山やスキーで心身修練の場となっているのに「山岳の頂上に山霊として表現すべき何物もなきを時の村長金子浩氏遺憾となし」、スキーで訪れていた浄土真宗西本願寺派の第23世法主に揮毫をしていただいて、皇紀2600年(昭和17年)に村の若者たちが苦労して運んで設置したものだそうです。
光顔巍巍とは、『浄土真宗の根本経典一大無量寿経(大経)の巻上にある讃仏偈と呼ばれる偈文(韻文の讃歌)の冒頭の句がこの『光顔巍巍』の四文字で、み仏の立派なお顔をほめたたえた句です。
『巍巍』は漢和辞典によれば『富貴高顕の貌とあり、ふくよかで高尚なお顔』とでも解すべきでしょうか。
尚、巍の字は本来高いという意味なので、門上氏は山頂の碑にふさわしい文字と考えられたのではないでしょうか。』(サイトには意味を尋ねられた美瑛町の方と丁寧に答えられた法主のやりとりがありますので、興味のある方はぜひ)
『巍巍』は漢和辞典によれば『富貴高顕の貌とあり、ふくよかで高尚なお顔』とでも解すべきでしょうか。
尚、巍の字は本来高いという意味なので、門上氏は山頂の碑にふさわしい文字と考えられたのではないでしょうか。』(サイトには意味を尋ねられた美瑛町の方と丁寧に答えられた法主のやりとりがありますので、興味のある方はぜひ)
下りも緩急あるけれど、特に怖いと思う箇所もなくザクザクおりていく。
望岳台には12:50に到着。またしてもトイレに行きたくなって熊鈴を鳴らしながらレストハウスに走りました。
登山後のお楽しみの温泉は吹上温泉の「白銀荘」(日帰り入浴600円。登山道で分岐がありましたね)
女湯だけで、内湯も大きいのが2つ、打たせ湯なんかもあり、露天風呂が3つあり、温度も色々でお湯も柔らかく寛げました。他に水着着用の混浴露天風呂があるらしく子供のはしゃぐ声が聞こえていたからお風呂というより温水プール的な露天風呂だったのかもしれないです。白銀荘では山バッチも買えます。(550円)
こうして、無事に登って降りてこれたから一応は良しなんだろうけど、
本来の山の楽しみとはかけ離れてしまった今回の十勝岳登山。
私の好きな山って、景色が良い、苔が生えている(苔好きなので)、途中は林の方が好き、川が流れていたりしたらもっと良い、適度な急登があって、ザレ場やガレ場が無い。
そんな山を汗をかきながら勢いよく登って(本当はゆっくり登るほうがいいらしいですが)、素敵な景色に癒されるのが私の山の楽しみなのに、今回はせっかく北海道まで来たんだから、百名山だからと無理やり登ってしまった。
火山で好きな道でないから、もうやっつけちゃおうってな感じ。
体力には自信があるので、これくらいの山なら連日登っても辛いと思わず登れちゃう。
でも、これでいいのかなあ。
師匠に「登山の楽しみって何?」と聞くと「まず、計画を立てるのが楽しい、そして、景色を楽しみながら汗をかきながら登ってデトックス、汗だけでなくストレスも流れていくみたいなのがいい、そして、頂上に立った時の達成感」とか言っていた。と、なると今回の十勝岳登山は景色を楽しむ以外はすべて満たされているから良いのかな?
百名山全登頂を目指す人々は、好きな山やそうでも無い山とかあるんだろうし、
いつでもベストコンディションじゃない時もあるだろうけど、
そういう時ってどうしているんだろう?
そんなことを考えながら登った十勝岳でした。