しゃおれんの旅日記

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好き満載青森旅4-大森勝山遺跡

好きなものを楽しみつくす今回の青森旅。

毎日韓流ロケ地巡りだけをしていたわけではありません。

青森には世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺産が8ヶ所あります。

今回は青森空港近くの小牧野遺跡と、弘前に近い大森勝山遺跡訪問を計画。

準備は万端

青森市では天気が悪かったので泣く泣く諦めたものの、弘前では天気予報を信じて万全の準備で臨みました。

弘前駅にあったりんごジュースだけの自販機

観光案内所で教えていただいたように、

最寄り駅まで「リゾートしらかみ」(全席指定)8:48弘前発9:11板柳着を予約(860円)この一本前は五能線の快速列車は6:47弘前発なのでちょっと無理。

駅から遺跡までのバスはないので、板柳町のタクシー会社((有)坂本タクシー)を予約。

電話で「料金はどれくらいかかりますか」と聞いても分からないとの回答。

いつか秋田まで乗りたい「リゾートしらかみ

鉄人28号くんも張り切ってます

最寄り駅は板柳駅

大森勝山遺跡のパンフレットやポスターなどは弘前駅にもありますが、弘前から遺跡までは車で約40分ほどかかります。

運転のできない私たちは、板柳駅からタクシーで行くことにしました。(板柳駅からは20分くらい)

板柳駅は想像以上に静かで、タクシーを予約しておいてよかったと思いました。

運転手さんは「地元に長く住んでいるけど、遺跡なんて行ったことない」「山菜を取りに近くまでは行くんだけど」と言う。

私が「世界に認められた素晴らしい縄文遺跡、世界遺産ですよ!」と妙なテンションで話しているからか、運転手さんも色々話してくれました。

つきあってくれた友人はどう思っていたんだろう?一緒に来てくれてありがたい。

岩木山の山頂に雲がかかっているのが気にかかるけど、なんとか晴れてほしいと思いながら移動します。

最後の1kmは農道のような細い道を進みます。

見学開始

新しい看板

駐車場にタクシーを乗り入れます。ここまでで4000円。

近所の農家の方が近づいてきて話しかけてきました。

見学に来たというとちょっと驚かれる。「埋め戻しちゃってるよ」ともいう。

なんですってーー?!

パンフレットの表紙の景色に憧れて

「これが見たくて東京(本当は千葉だけど)から来たんですけどー」とパンフレットを見せながら言う。

でも、とりあえず、その場に立ってみようと思う。

パンフレットの「岩木山をのぞむ縄文人の祈りの場」というキャッチコピーにつられてここまで来たので。

文字のない縄文時代の遺跡は、どのように使われていたのか。

その場所に立ってみないと分からないことがあるはず。

岩木山が絶対関係あると思うんですよ。

 

タクシーの運転手のおじさんも車を降りて、一緒に来てくれるという。

「タクシー30年やってるけど初めてだ」「生まれて初めて行く」と言いながら。

大石川と大森川が遺跡の傍を流れます

運転手さんは、彼女(現在の奥様)とこの川のそばをデートしたそうです。

子どものころに、山菜採りのときに土器のかけらを見つけたことがあったけど、その辺に投げちゃったそうです。

「博物館に持っていけば買い取ってくれたかもしれないのにーー」と私が残念がると運転手さんは笑っていました。「そんなすごいもんだと思わなかった」と。

 

環状列石

岩木山の前に広がる遺跡

この大森勝山遺跡は、岩木山の北東麓、約3000年前(縄文時代晩期)の環状列石や大型の竪穴建物跡が発見されました。

昭和34-36年、平成18-20年に発掘調査が行われ、令和3(2021)年に世界遺産登録されました。

環状列石は長径48.5m、短径39.1m、77基の組石(石のグループ)により円環が作られています。

縄文人の目線で

確かに埋め戻されていました。

しかし、似た素材、大きさの組石で再現されてて、環状列石の中に入ることもできそうです。

ちなみに、こちらの遺跡からは、墓は見つかっていません。(秋田などの環状列石では集団墓の遺構が見つかっていますが)

環状列石群の説明板

ドローンがあれば、写真左のような配列が見られるのに・・・

大型竪穴建物跡

大型竪穴建物跡

環状列石の南西100m、環状列石と岩木山を結んだ直線状に大型竪穴建物跡があります。

直径13mで中央には円形の石組炉があります。

周囲に直径0.2-0.4mの柱跡があります。

石組炉

遺跡の近隣からは、集落遺構が見つかっていないそうです。(少し離れたところにはある。ここから通ってきていたと思われます)

ということは、環状列石と儀式を行う建物だけがあったということでしょうか。

岩木山を眺めながらどんな儀式をしていたのでしょう。

冬至の日には岩木山の山頂に日が沈むそうです。

丁寧な説明が多数

たんぽぽが咲いています

屋外炉跡

他にも土偶や、円盤状石製品、石器、土器も出土しています。

天気が心配でしたが、晴れてはいないものの、岩木山を見ることができて良かったです。

山頂に少し雪が残っていますね。

運転手さんも友人もつきあってくれて一緒に見学しました。

当初、見学する間、待っててもらったらタクシー代はいくらになるだろうと心配していましたが、運転手さんはいったん精算してくれたので助かりました。

運転手さんは「これで次に誰かが行く時には案内できる」と言っていましたが、さて、次に見学する人はいつ現れるのでしょうか?

もっと、たくさん人がくればいいのに。

 

運転手さんは「この後時間があったら、大石神社に案内するよ」と言ってくださったのですが、予定があったので残念ですが次の機会にとなりました。

この後、鶴の舞橋まで送ってもらったのですが、最初の農道の間1kmくらいはメーターを倒さずにサービスしてくれたのです。

料金をサービスしてくれたからではないですよ。見た目がちょっと怖そうでしたが、色々話してくれて面白かったです。

本当にいい運転手さんでした(それなのに、名前を控えるのを忘れる)。

大森勝山遺跡から鶴の舞橋までは、タクシーで20分ちょっと。4320円でした。

 

次はいよいよ「鶴の舞橋」です。