しゃおれんの旅日記

インフラ等は記事を書いた時点のものです。現在の状況はご確認お願いします。

西国巡礼その2和歌山⑥5番葛井寺・24番中山寺

西国巡礼和歌山編、すでに大阪に入っていますが、午前中に軽い山登りを終え、午後は町中・駅近のお寺を周ります。

20:35の飛行機まで時間をフル活用です。

 

5番葛井寺

12時のオレンジバスで下山し(運転手さんとしゃべりながら帰る)、槙尾中学校前バス停で乗換え、和泉中央駅で下車。

12:57和泉中央駅泉北高速鉄道新今宮経由。13:31天王寺に着きました。ここで大阪阿部野橋まで歩いて近鉄に乗換、藤井寺には13:57に着きました。

ここまで来ると電車の本数が多いので1本逃しても焦らないですみます。

秀頼が寄進した重文の四脚門

 

南大門

本堂

ご本尊 (国宝)十一面千手千眼観世音菩薩(毎月18日御開帳)

「参るより 頼みをかくる葛井寺 花のうてなに 紫の雲」

渡来氏族の葛井氏の氏寺として創建、一時衰退したが、藤井安基が再興したため「藤井寺」とも記されるようになり、地名として残ったそうです。

「あかん河内の葛井寺」と言う言葉があって、もともと安基は無法者で、逃げ込んだ寺で観音様に諭され、これまでの悪行を反省し寺門興隆に尽力しました。安基のような「あかん」奴でも葛井寺の観音様は救ってくれると庶民の信仰を集める言葉と紹介されています。

葛井寺の納経印

藤の季節に来たらとってもきれいそう

5番葛井寺は珍しく駅近で、小ぢんまりとしていて地域のみなさんの日常になじんでいる感じがします。

参拝者というより普通に散歩として通っている人も多かったし。

西側の四脚門は秀頼が寄進したそうですが、この辺秀頼寄進の門がすごく多い。

 

ご本尊は十一面千手観音さまなのですが、18日以外は御開帳無し。

お前立の仏様は見られるのですが、関西に住んでいて、いつでも来れるなら御開帳に合わせて来るのだけど仕方ない。

 

藤井寺は実は何度か歩いたことがある町です。

古代史好きな私は仲哀天皇陵や応神天皇陵に来るためにこの辺は結構歩き回っています。御陵印を集めるために来たこともあったし。

その頃は西国巡礼始めるとは思っていませんでした。

辛国神社

辛国神社

近くに辛國神社があったので併せて参拝。

雄略天皇の時代に、物部大連目が物部氏氏神饒速日命を祀るために創建。

この時代は好きで日本書紀を読み込んでいたので、「物部大連目」の名前に旧知の友人に会った気分。

ご祭神は、饒速日命天児屋根命素戔嗚命市杵島姫命、品陀別命

今回もお寺も神社も手あたり次第です。

 

24番中山寺

14:53藤井寺を出て、またしても大阪阿部野橋で乗り換えて、天王寺御堂筋線に乗り換え梅田まで出て、今度は阪急に乗り換え。16:07に中山観音に到着。

24番中山寺まで参拝します。

藤井寺の後で7番岡寺も考えましたが交通の便が悪い。岡寺なら6番壷阪寺と一緒に行くほうが効率が良さそう。

中山寺近くに23番勝応寺もありますが、ここも交通の便が悪いので後日に。

悩んだ末に中山観音は駅の近くでしかも私鉄で交通費が安いので無理やり今回参拝しました。

立派な山門 秀頼寄進

望海楼とも呼ばれ昔はここから海が見えたそう

山門をくぐると両側にお堂が並んでいます

駅から歩いてすぐの中山観音。

ご本尊 十一面観世音菩薩(毎月18日御開帳)

「野をもすぎ 里をもゆきて 中山の 寺へ参るは 後の世のため」

聖徳太子が建立した日本最初の観音霊場と言われます。古くから子授け・安産の寺として有名で、秀吉はこちらに祈願して秀頼を授かったとか。

妊婦さんやお宮参りの皆様に優しいバリアフリーのお寺です。

 

本堂

中山寺の納経印



五百羅漢堂

青龍塔(五重塔)が映えます

五重塔は平成29年に再建されたもので珍しい青色をしています。手前の建物は左が護摩堂、右開山堂です。

大師堂

青龍塔は本当に青い

閻魔大王

 

石の櫃(からと)

境内に古墳の石室があります。仲哀天皇の后大仲姫の墓と伝えられています。

石棺が残っていて高さもある石室

多宝塔は平成19年再建

安産の神様ということで戌の日には混雑するらしいです。

境内が広いし、エスカレーターがあってバリアフリーだし、お堂も整備されていて、五重塔がきらびやかでなんというかお寺のテーマパークみたいでした。

 

 

ピーチ航空で成田へ

17時少し前に本日の予定を全て完了。

来た路線を戻って和泉府中まで行き、コインロッカーから荷物を出して関空へ向かいます。

初めての関空で、夕食は何を食べよう~とか楽しみにしていたのに、ついうっかり関空駅から「第二ターミナル」行の案内のままにバスに乗り移動したら、ピーチ専用待合室についてしまい、おにぎりと飲み物を買うくらいしかできなかったのでした。

今回は、20:35発のピーチ航空が6100円で買えたので新幹線の半額以下だーと喜んでいたのですが、中山観音まで行ったのなら新大阪から新幹線で帰りたかったです。

和歌山編だから関空から帰ろうと思ったのですが・・・

 

33観音に番外札所もあわせて36ヶ所ですが、これで15ヶ所の参拝が終わりました。

次の予定もなかなか交通の便が悪いところですが、体力と工夫で乗り切ろうと思います。

 

 

 

十和田市立現代美術館で考える

妹がいる青森に旅行することに。

合流前に、色々なところで目にしていた十和田市現代美術館に行きました。

私は7時38分のはやぶさ5号に乗り七戸十和田に10時37分に着きましたが、バスが無いのでタクシーに乗りました。約25分、4810円也。

美術館前の「フラワー・ホース」

 

撮影可能なので自由に写真を撮り、屋外の街中アートも楽しんできました。

美術館前に草間彌生の「愛はとこしえ十和田でうたう」あり

「ファットハウス ファットカー」エルヴィン・ヴルム

この膨張した家と車について「社会的な成功や富の象徴でもある家や車を太らせることで、資本主義や美醜についての既存の価値をからかうようでもある」と解説にはありました。


先に感想を言うと、「モダンアートて私にはよくわからない。芸術って言ったものがちなんだ・・・」です。

 

不思議な物体が展示室に飾ってあって、解説を読んでへえーと思う。

でも、それで感動するかどうかっていうと・・・

これが芸術?と「考えちゃう」時点で、私には向いていない。

芸術って考えるものではなくて、好きか嫌いか、感動するかしないかっていう単純なものでしょ?

(ここまでくると開き直り)

「スタンディングウーマン」ロン・ミュエク(部屋の奥にいるのは職員さん)

 

有名なでっかいおばさん(スタンディングウーマン)は肌の質感や肉付きの感じとかリアルでなんか怖くて、心が落ち着くとか「わぁ、綺麗」と思うかっていうと・・・

表面の細かい皺とか身近すぎてむしろ見たくない・・・

そもそもおばさんの皮膚の皺とかたるみをでっかくして見たい?!

私は若い子のプリプリした水光肌を見たいですよ。

「水の記憶」塩田千春 赤い糸が船の周りを張り巡らされています

「なんか怖い・・・」が先にたち、次にこの糸はどうやって編んだのかな?と。

「光の橋」アナ・ラウラ・アエラ

別の方のブログで見たときはもっときれいなものだったのに、私のカメラの腕のせいで良さが表現できない。

「ザンプランド(湿地帯の意)」栗林隆

白い部屋の中の天井から兎が釣り下がっている。靴を脱いで椅子に登って、とあるので登って穴を覗く。

池から顔を出すアシカ?アザラシ?

「コーズ・アンド・エフェクト」スゥ・ドーホー

遠くから見たらきれいだけど、近くで見ると半透明の人形が肩車で繋がってい釣り下がっているのでちょっと気味が悪い。

「世代から世代へ知識や記憶が受け継がれて行くこと」を表していて、題名は「因果関係」の意味だとか。

小さい人形が繋がっている

「建物ーブエノスアイレスレアンドロ・エルリッヒ

ヨーロッパ風の建物のファサードと大きな鏡。建物に鑑賞者が乗って、鏡に映るところも併せて鑑賞するみたいです。センスが問われるけど一人だと写真撮るのも難しい。

屋根に捕まっている様子を表してみたかったけど、おばさんが丸まってるだけですね

名和晃平《Biomatrix (W)》

企画展の作品でぼーっと見てしまったものあり。シリコンオイルがぽこぽこと盛り上がっては消えるもの。これが「芸術」かっていうと不思議です。

時間差でぽこぽこと盛り上がっては消える

うーん、芸術って難しい。

私はモネやピサロみたいなわかりやすく色の綺麗な風景画が好き。

東山魁夷や河合玉堂など日本画も年々好きになりました。

そうでなければラファエロの描く美人のマリア様とか、ダヴィドの圧倒的画力で迫ってくる歴史画など好み。

ある芸人さんが「ピカソより普通にラッセンが好き」というネタをやっていたけど、大いに同意。

モダンアートが好きというと高尚な感じがするけど、私はモダンアート以前のわかりやすいものが好きなんです。

椿昇「アッタ」

他にも色々写真は撮りましたが、肯定的なコメントが書けないのでそろそろ載せるのやめます。

妹が「なんだか有名な建築家が建てた」という建物

 

行った人に聞くと、みんな「良かったよ」と言ってくれて今回来ることにしたけど、百聞は一見にしかず。

私は「モダンアートが好きじゃなければどうしても行かなきゃってところじゃないよ」と言うことにします。

 

 

おまけ

久しぶりに妹と会って喋って楽しかったです。

お昼は「SOBE_PI」という地元で人気のラーメン屋さんで、妹に奢ってもらう。

手前「ごまこくラーメン」奥「こってり醤油」

私はごまこくラーメンを食べましたが、胡麻の風味満載でこくがあり、美味しかったです。

柔らかくて美味しいチャーシューも普通に入っているのでチャーシュー麺にしなくても十分のボリューム。半熟卵はトッピングしました。

名物よりも地元の人が行く美味しい店を希望してたので大満足。

普段、夫さんの写真に話しかけるだけの生活をしている私にとって、半日あれこれおしゃべりするなんて、ありがたくて泣いちゃいそう。

 

西国巡礼その2和歌山⑤4番施福寺

いよいよ西国巡礼和歌山編も3日目最終日です。

すでに和歌山ではなく大阪ですが。

この日は関空からピーチ航空(MM319便20:35発)で成田(22:05着)で帰る予定。

青岸渡寺から早い特急に乗れて、粉河寺を2日目のうちに行けたので今日も行けるだけ行ってみます。

当初の予定はこの日に粉河寺と施福寺だけで、堺で古墳でも見て帰ろうかと思っていました。

結果としてちょっと無駄な動きだったような気もしますが、一つでも多く周っておくと後日楽になるかもと思い敢行しました。

4番槇尾山施福寺へはオレンジバスで

施福寺は電車で行く人にとってはすごく行きづらい場所です。

和泉府中駅からバスに乗り、槙尾中学校前バス停でオレンジバスというコミュニティバスに乗り換え槇尾山バス停で降りた後、山道を30分弱登ってやっと着きます。

このバスが平日は本数が少ないのでなかなか大変(休日は増便)

和泉市の「オレンジバスのご案内」で最新情報を確認してください。

オレンジバスのご案内/和泉市

私はこの日は7:43和歌山発JR阪和線快速天王寺行 8:22和泉府中駅下車

コインロッカーに荷物を預けます。(これでこの日は機動力が上がりました)

8:47南海バス(このバスは和泉大津発、和泉中央にも寄ります)→9:33横尾中学校前

ここでバスを乗り換えます。

わかりやすくて迷わないオレンジバス停留所

手書きイラストでほのぼのしてます

バスが来たのですが、運転手さんに「コンビニ行ってきてもいいですか」と断りコンビニでトイレ休憩と飲み物購入。

9:40少しすぎにバスは出て、9:52に槇尾山バス停に到着です。

乗客は私一人。運転手さんに「12時まで時間があるからゆっくり楽しんで」と言われる。

槇尾山バス停

 

4番施福寺へは山道30分

バスを降りて、さあ30分の山道を登っていきましょうか。

ちなみに、車で来た人も駐車場はバス停のところにしかないので、山道を登る必要があります。

入山料かかります

さらにさらに、2022年10月から「入山料 一人500円」を取るようになりました。

入山券

私は「入山料かぁ、ガイドブックになかったなあ」と素直に払いましたが、下山後お昼を食べていたら常連さんとお店の人が「これまで参拝するのを日課にしていた○○さんは入山料を納得してなくて払わずに突っ切って行く」「係員が追いかけるのを見た」「○○さんもいい年だから折れない」とか話しているのでおかしくて噴き出しそうになりました。

バス停から仁王門まで5分程度

整備された山道なので登りやすい

ずっと石段

弘法大師御剃髪所

施福寺弘法大師が得度受戒した寺といわれ、御剃髪所や御髪堂などがありました。

御髪堂

読んだガイドブックでは「山道30分」と書いてあるけれど、ランニングと登山が趣味の私からしたら、景色を楽しみながらでも整備されているので歩きやすく20分程度で登れました。

(早く登っても帰りのバスは来ないのに、つい)

 

本堂に到着

ご本尊 お寺の本尊は弥勒菩薩ですが、札所の本尊は十一面千手観音

「深山路や 檜原松原わけゆけば 巻の尾寺に 駒ぞいさめる」

欽明天皇の勅願で行願上人が弥勒菩薩像を本尊として開山。山号は巻向山の神様に由来し、「巻尾山」から「槙御山」に。札所のご本尊の千手観音は行基の高弟法海上人が和泉大津の海で感得し、法案したものだとか。

花山天皇は巡幸の途中で深い山で迷ったと言われるほど昔から行きづらい場所。(現在も、最終的には1kmの山道を登る)

本堂

本堂で巡礼の手順でお線香・蝋燭を奉納して納札を納め十句観音経を読んで(私はお経はあっさり派)、お参りして、納経印を頂く。

するとご住職が本堂の中は見学可能、しかも撮影も可能と仰る。

拝観料500円を納めて本堂の中へ。

なんだかすごい迫力で感動しましたよ。

内陣の中央にはお寺のご本尊弥勒菩薩、右に文殊菩薩、左に千手観音、周囲に四天王

札所のご本尊 千手観音

西国33観音様は秘仏が多くて、御開帳を待っていたらなかなか結願しないので私はご本尊のお顔を拝することなく巡礼していますが、こちらは近くまで行って拝んで写真まで撮れる。

バスを乗り継ぎ、山道登った甲斐がありました。

本堂の中は仏像がたくさん

方違観音

宝冠が立派な方違観音様、

引用するより張り付けた方が早い説明書

いつもは秘仏馬頭観音

厨子の格天井がきれいでした。

花山天皇の足守馬頭観音

こちらの馬頭観音さまは足の裏を見せている珍しい像。

足の効能書きあり

珍しい観音様も多かったです。

本堂の奥に厨子に入った千手観音さま

奥にいるからこちらの観音さまがご本尊かと思ってた。

弘法大師空海

強い意志を持った目。目力すごい。

伝教大師最澄

弘法大師ゆかりの寺に最澄もいるのは不思議。

最澄さんは絵や像がいつも頭巾をかぶっているのでなんとなくスカーフをしている女性のように思っていました。

この像も線が細くて優しそう。

天女が舞う美しい欄間

三十三観音が入った厨子

心行くまで仏像を堪能していると、意外と参拝客がいることに気づく。

バスは私一人だったことを思うと皆さん車なのでしょうか。

そして、肩で息して「しんどー!」と言ってます。

私も西国巡礼を思い立ったのが早くて良かった。

あと10年後だとこの行程は無理だわ。

観光センターで月見うどんの昼食

下山してバス停の前の「観光センター」でうどんで昼食。暖かくて美味しかったです。

常連さんたちの会話が面白くてこっそり笑ってました。

レトロな雰囲気の「観光センター」にはお土産もあります。

もう少し下るとこじゃれたカフェみたいなお店もありましたよ。

 

月見うどん

満願滝弁財天

観光センターの横に鳥居があるのでお参りしてきました。

満願滝弁財天

弁財天本堂 手作り感あります

橋の向こうに稲荷大明神

橋からみえるのは満願滝


満願滝

滝の両側に弘法大師と愛染不動明王役行者のお社がありました。

常富大神、白龍王大神

さっきの滝を見ると白龍って感じがしますね。

 

お昼を食べて、お参りしてトイレを済ませてもまだお迎えのバスの時間にならず。

せっかちな私はゆっくり登って下りてくればよかったとこういう時に思います。

 

西国巡礼その2和歌山④3番粉河寺と和歌山城

西国巡礼第二弾は和歌山編です。

初日は三十三か所ではない熊野本宮大社と速玉大社・神倉神社と熊野詣。

二日目は朝一で那智大社と1番青岸渡寺をお参りし、特急くろしおで移動。昼に2番紀三井寺へ。二日目の午後は3番粉河寺にお参りした後、和歌山城を観光して予定完了です。

 

3番札所粉河

13:02紀三井寺駅発で和歌山駅へ。今日は和歌山駅前のホテルグランヴィア

荷物を預けて次は3番札所の粉河寺へ向かいます。

本当は粉河寺は明日の予定でしたが、時間が早いので前倒しで行くことに。

13:55発和歌山線五條行きに乗り、14:26粉河駅に着きました。

駅前からはまっすぐ10分ほど歩くとすごくりっぱな門が見えてきました。

 

ご本尊 千手千眼観世音菩薩(永久秘仏

「父母の 恵みも深き 粉河寺 ほとけの誓ひ たのもしの身や」

納経帖にある由来を引用します。

大伴孔子古という漁夫が山中で不思議な光に霊感を得て造仏のために小さいお堂と建てたところ、一人の童子が現れて念願をきき七日間そのお堂に籠って仏像を作り立ち去った。そこには目も眩い金色の千手観音の像が残されていたので、同じ童子に娘の命を救われた河内国の長者の佐太夫とともにこの粉河寺を建立し供養した。この童子は千手観音の化身であるそうです。(この縁起は絵巻物になっていて、駅から寺までの間にいくつか看板が立っていて紹介されています)

納経印 童男さんがかわいらしい

大門:桁行12.48m梁間7.48m宝永4年建立の重文

粉河寺は広かったです。奈良時代の創建で鎌倉時代はもっと堂塔伽藍が多かったそうですが、秀吉の紀州征伐で焼き打ちにあい(紀三井寺は春子さんのおかげで免れましたが)、その後江戸時代に再建されました。

 

境内は歩きやすい石畳

中に川が流れているのは縁起にあった「米のとぎ汁のように白い粉河」なのでしょうか。そんなに白くなかったけど。

蓮の手水鉢

仁王門もかなり立派です

本堂は西国巡礼の中では最大級

本堂の前に石の庭園

本堂右手奥にお堂あり

十禅律院と庭園

紀州徳川八代重倫(父)、十代治宝(子)ゆかりの寺と庭園だそうですが、中は修復中なのか荒れ果てていました。

御寺の境内に鳥居?

粉河産土神社でした

ご祭神は丹生都姫命(天照大神の妹神、災厄から救ってくれる)、天忍穂耳命天照大神の子、下界に降りるのを拒み、代わりに孫の瓊瓊杵尊が降臨した)

これらは帰ってから調べました。

私の旅日記、たんに移動の記録になっていて、自分で読み返した時に面白くないと思ったので。

 

手書きの案内図と絵馬ががほのぼのします

またまた奥に進む道あり(これは戻るときに撮影)

行者堂(お寺の中で一番高いところにあります)

出現池の看板を見つけてのぞく

正面の童男大士石像

馬蹄石

千手観音像

立派なお寺なのに、あんまり参拝者がいないのは不思議です。

粉河寺の門前に巨木の神社あり

「触って御神木のパワーを感じてください」とあったのでお参りして御神木を触ってきた。

木や山、滝など自然に神が宿るって自然な感情だなあとまたしても思う。

 

15:39の和歌山行きは学生さんも多くて、賑やかでよかったです。

 

昨日からずっと大型バスに私一人とか、車両に二人とか寂しい限りでした。

和歌山は普通に都会なので当たり前かもしれないですが。

和歌山城

和歌山に戻ってから和歌山城を見に行き、今日の観光はおしまい。

紀伊といえば吉宗くらいしか思い浮かばないです。

和歌山城は昭和に再建されたもので、外から見るとフォトジェニックですが、中はがらんとした資料館でした。

石垣は当時のまま 野面、切り込みなど多様

外から見るとかっこいい

夕日に映える鉄人28号くんとお城

回廊も再建されているので歩けますが、櫓や回廊って外から見るとかっこいいけど、中は普通の廊下なのでコメントに困ります。

全国の名城写真を見ながら、割と私も行った城が多いなと思ったりして。

 

うっかりしていたのは、下調べ不足で紀三井寺のそばの紀州東照宮を忘れた事。

ついでに行っておけばよかったとそれだけが心残りです。

 

この日は27,598歩歩いていました。

明日は西国巡礼の難所の一つ槇尾山施福寺です。

 

歩き疲れて夕食はコンビニで。

有名な「和歌山ラーメン」と思っていたけど、結構疲れていたので探すのが面倒になり、部屋でのんびりコンビニ飯にしました。

ホテルグランヴィア和歌山では何かのキャンペーンでウエルカムドリンクでノンアルコールの梅サワーや夜食にカレーも出ました。

ルーフトップバーでノンアルの梅ッシュくれました

寒いからルーフトップバーではくつろがず部屋に戻りましたがいい雰囲気でした。

駅前で便利だし、お部屋もきれいだし、それでいながらこのお値段はとってもコスパ高いと思いました。

西国巡礼その2和歌山③2番紀三井寺

西国巡礼2日目は午前中は青岸渡寺那智大社に行き、3時間以上かけて和歌山に移動しました。

 

2番札所紀三井寺

特急くろしおを海南駅で各駅停車に乗り換えました。

電車が紀三井寺の駅に着く前に山の中腹に大きなお堂があるのが見えます。遠くからでも分かる大迫力。

山の中腹に見えるのは大仏殿

コインロッカーは改札の中にあったのを見つけられず、今日も宿泊用荷物を背負っての修行のようなお参り道中。駅から10分くらいと近くてよかったです。

駅からは案内の通りに行けば迷うことなくつけます。

 

二番札所紀三井寺

ここも石段。今回の旅は毎日石段ばかり登っています。

ケーブルカーもありますが、徒歩なら無料参拝ということで徒歩で参拝します。

2023年4月4日まで徒歩参拝無料です

私はこれくらいの石段は苦になりませんが、いずれ年をとったらきつくなるのでしょう・・・

ケーブルカーもあります

ケーブルカーで参拝する場合は、参拝料400円、ケーブルカー片道200円です。

山門の前の閻魔様は大迫力

結縁厄除け坂

三井寺の名前の由来の一つ清浄水

ご本尊 十一面観音(50年に一度御開帳 2020年)

「ふるさとをはるばるここに紀三井寺 花の都も 近くなるらん」

 

光仁天皇の頃、為光上人が千手観音の像(霊像を胎内に納めている)を感得し、和歌の浦の絶景を望むこの地に本堂を建立しました。

紀三井寺の名前の由来は境内に三つの名水があるから。これはその一つ清浄水。他に楊柳水、吉祥水があります。

滋賀にも三井寺がありますが、あちらは三人の天皇の御産湯に使われた御井寺から三井寺になりました。滋賀の三井寺と区別するために紀州三井寺ということです。

この紀三井寺紀州徳川家が頻繁に訪れ繁栄を祈願した寺です。

石段を登りきると街と海が見えて景色がいいです。

和歌の浦が見えます

今回の旅は幸いお天気に恵まれて嬉しいです。

 

桜の頃はきれいだろうなあ

一週間遅ければケーブル開通記念の重文の仏像を拝むことができたのに、そこまで旅程を組むとき気づきませんでした。

二番札所紀三井寺の納経印

護国院鐘楼

樟の木って御神木になりやすいのかしら

春子稲荷

こちらのお稲荷さんの由来は、信長・秀吉が紀州征伐に来た時に、当山に仕えていた春子さんという二十歳くらいの美女が(看板にそう書いてあった)突然白狐の姿となって敵の軍営に赴いて霊力を持って武将を威服し、羽柴秀長から「焼き打ち禁制」の書状を得て紀三井寺及び在所を戦火から救ったそうで、「危難除け春子稲荷」として祀ったそうです。


これって、このお寺に仕えていた美女の春子さんが色仕掛けで羽柴秀長を篭絡したってことではないのかしら?すごい美女だったのですねぇ。

多宝塔

本堂で参拝の後、多宝塔を見て、巨大観音様を見に行く。

2008年に作られた木像立像では日本最大

圧倒的迫力の千手観音様も今は無料。

金ぴかですごい迫力なのですが、あまりに新しすぎると有難味が薄いような気がするのは私だけかしら。

なんとなく古びているほうが歴史の重みを感じるというか金箔が剥げているくらいのほうが好みなのですが・・・

ケーブルカーに続く参道には三十三か所のお寺の名入り蝋燭灯篭

三十三か所の寺の名前入り

ライトアップされたらきれいですよね。

石段の途中の身代わり大師

がん封じの言葉に泣く

こういった癌封じとか邪気払いとか、自分が健康なときはその健康を有難く思って感謝の気持ちでお参りできたけど、いざ自分と夫さんが癌になったら、しかも夫さんは癌封じができなかったから、かえってお参りするのが辛い。

私の場合は「元気にしてくださってありがとうございます。再発しませんように」と祈願すればいいのだけど、まだそんな気になれません。

おみくじも自分が病気になって以来引くのが怖い。「病気治らず」とか出たら嫌だから。

この巡礼で心が安らかになってほしいです。

私は本来自分でいうのもなんですが、前向きで努力家で物事を肯定的にとらえて、割といい人だったのですよ。

それが今はなんかすごーく嫌な感じ。(ある人たちともめているから)

そういったところから解放されて平穏に夫さんのことだけを思って暮らせる日が来るといいな。

 

西国三十三か所めぐりまとめ

  • なぜ西国三十三か所巡りを始めたか
  • 2022年9月京都1泊2日で周ったところ
  • 2022年10月2泊3日和歌山
  • 2022年11月2泊3日丹後・天橋立竹生島
  • 2022年11月3泊4日京都・姫路・滋賀
  • 2022年12月最終回♪2泊3日 奈良・岐阜
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西国巡礼その2和歌山②1番青岸渡寺と那智大社

那智大社に行くなら熊野詣でもしなくっちゃと初日は熊野本宮大社と速玉大社、神倉神社をお参りしました。

今日はいよいよ西国巡礼です。

 

この日も交通の便で悩む

第1番札所の青岸渡寺那智大社の境内にあります。

那智大社に行くなら那智の大滝も見たいし、熊野古道も少しだけでいいから歩いてみたい。

この日の予定は青岸渡寺の参拝の後で、特急くろしおに乗り紀三井寺に行く予定でした。

この特急が本数が少なくて、8:49の次は11:48。特急に乗っても3時間以上かかるので、特急以外は考えられない・・・

とりあえず、朝一番の那智山行きのバス(6:45発)で大門坂バス停で降り、なるべく早く歩いてみようと思う。

間に合うのなら8:49発の特急に乗るために那智大滝前バス停8:12発に乗りたかったので。

結果として間に合ったのですが、私以外に誰もいなかったから小走りもできたけど混んでいたら難しい。

情緒もあんまりなかったのでお勧めできません。体力自慢で時間がない人へなんとかなりますよという情報提供です。

 

大門坂バス停から熊野古道

6:45紀伊勝浦駅を出たバスは那智駅も経由して7:05頃大門坂バス停につきました。

大門坂バス停からスタート

ここから元気に歩き始める(若干小走り)

この日は明け方まで雨が降っていて、朝靄が少しずつ晴れていく中、朝日が輝いていてとても爽やか。

大門坂は看板があるので迷いません

貸し切り状態

南方熊楠が滞在した宿の跡

大門坂は木々の間からマイナスイオンが出ているかのような清浄な空気に満ちているのですが、雨のせいで石畳がしっとり濡れています。

この鳥居の向こうはイメージ通りの熊野古道

杉並木の間の石畳

これぞ熊野古道のイメージ

苔が綺麗なのですが、ちょっと滑りそう。

平日で朝早いからか大門坂は私の貸切。

亡き夫さんと来たいねと話していたことを思い出して、夫さんの名前を呼んだり、勢い余って泣いたりしながらずんずん歩いていく。

ネットでは1.3km40分くらいとあった大門坂を20分で制覇。

(私は毎日8〜10km走っていて体力に自信あり)

大門坂を通過すると今度は参道となるのですが、まだまだ階段が続きます。

参道も階段

こういう注意書きも関西弁だと角が立たない

すでに大汗かいているのだけど、足取りは元気一杯だったので、ゴミを拾っていた地元の方に「あんたは元気に歩いていていいねえ」と褒められたー♪

那智大社

階段の途中にも休憩用のベンチがあり、トイレもあるし、自販機もあるので体力に自信がない方も大丈夫だと思います。

私はそのまま石段を駆け上り、那智大社へ。

那智大社の鳥居です

那智大社まで最後の登り

礼殿

 

主祭神熊野夫須美大(くまのふすみのおおかみ=いざなみのみこと)。万物の生成、育成を司ります。
熊野詣の最終目的地でした。

八咫烏と御縣彦社

本殿前に神武天皇を大和に案内した役目を終えた八咫烏が石となった烏石があるとのことでしたが急いでいたので見つけられず。

右手に神様のハシゴが見えます

階段を登り切ったら絶景が広がっていました。

神さまが降臨してきたみたい。

お参りを済ませ、胎内潜りをして青岸渡寺へ。

日本一のおみくじ

最近おみくじを引くのが怖いので引きません。

 

大楠の胎内くぐり

胎内くぐり

護摩木か絵馬を買って御神木の大楠をくぐります。生まれ変われるそうですよ。

護摩木の裏面に願いを記入

大楠の中は空洞になっていて空が見えます

胎内くぐりを終えて護摩木は奉納しました

一番札所青岸渡寺

青岸渡寺那智大社の隣なのでそのまま歩いて行くだけです。

朱塗りの華やかな那智大社と違い、青岸渡寺は大きいけれど檜皮葺で重厚感がありました。

 

ご本尊 如意輪観世音菩薩

補陀落や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山に 響く瀧津瀬」

縁起

仁徳帝の頃、インドから渡ってきた裸形上人が那智大滝で苦行中、黄金仏の観音様が出現、庵室を結んで奉安したのが始まり。その後生仏上人が零木で如意輪観音像を掘り、滝つぼから出現した霊像を胎内におさめ本尊とし、推古天皇の勅願により本堂が建立された。

一番札所青岸渡寺

蝋燭とお線香をあげてお参りして、納経印をいただきます。

これで西国巡礼一番札所のお参りが済みました。

一番札所から始めるのが一般的ですが、先月義実家に行く予定があったので既に9ヶ所納経印受領済。

青岸渡寺の納経印

ですが、これから続く西国巡礼が無事に結願するよう決意も新たにしました。

 

ここで、すでに7時40分すぎ。

滝を見て8時12分のバスに乗れるのか?!

急いで三重塔へ走ります。

よく見た通りの景色に思わず声が上がります。

これまで見た写真の通り

三重塔は朝早いためか閉まっていたので中は見られず。

滝にはどうやっていくの?焦りつつ三重塔の前の防災道路と書かれているところをとりあえず降りて行きます。

確かこのあたりに鎌倉時代の石段があって、滝の近くに行けるはず。

 

飛瀧神社那智の大滝

鎌倉時代の石段がどうかはともかく石段を降りていくと、飛瀧神社がありました。

この神社の御神体那智の大滝です。

瀧まで最後の石段

拝殿も本殿もありません。

鳥居を潜ってさらに石段を降りると目の前に聳える大滝。

飛瀧神社御神体は瀧

滝の音もすごいですが、水飛沫もすごいです。

流石に鳥居までは水飛沫はかからないですが、すごく飛び散っています。

 

瀧や山を神様だと思うって自然な感情のような気がします。

 

さらに料金を支払うともっと近くまで行けて、神水をもらえるそうですが、

すでにここで8時になっていたので諦めて、時間ギリギリまで滝を目に焼き付けて5分でバス停まで戻る。

間に合いました

早い特急に乗れました

8時12分発のバスで那智山を後にし、紀伊勝浦駅に着いたのは8時35分。

窓口も特急券売機も行列ができていて、どこにこれだけの人がいた?!と驚いたけど、この分では間に合わないと思い、Suicaで入れるというので、列車の中で特急券を買うことにしてホームへ。

那智山のお参りで大汗かいていたので、トイレで急いでシャツだけ着替える。

 

なんとか8時49分発の特急くろしおに乗れました♪

特急くろしおは全席指定なのですが、平日でまだ外国人観光客もいないためか空いている席に座って車掌さんに事情を話し、空いている席の指定席券を買いました。

(乗車券はSuicaなので大丈夫)

2番札所の紀三井寺を目指します。

海南でJRきのくに線に乗り換えるのですが、紀三井寺に着いたのは12:04

途中寝たり本を読んだりスマホで動画を見たりと色々しても遠かったーー。