友人が「しゃおれんが絶対気に入る博物館があったよ!」と教えてくれたのが、
魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)です。
葛西駅または葛西臨海公園駅から21番のバスに乗って、魔法の文学館入口バス停で降りてから徒歩5分。
見るからに可愛らしい建物が見えてきます。

なぎさ公園の中にあり、文学館の前にはポニーに乗れるところもあります。

中はピンク色でかわいらしい。


角野栄子さんは、ジブリ映画の原作になった「魔女の宅急便」の原作者で、他にもたくさん児童文学を書いている人でした。
栄子さんのアトリエの再現や、お気に入りのファッションなども紹介されていて、おしゃれで元気なおばあちゃまという感じです。


いたるところにベンチがあって、好きなだけ読むことができます。

「車の色は空の色」好きだったので読み返す。
子どもに化けたたぬきの子が出てきたり、不思議なところを走ったりするけど、タクシー運転手の松井さんは、普通に受け入れてむしろ暖かく対応するいい人。
本棚をあちこち見ては取り出して、すぐそばのベンチに座って読んで。
そうそうこんな話だった、などと思いながら。
子どもの本は短いのですぐ読めてしまうから、あれこれ読み散らす。
かこさとしの「からすのパン屋さん」とか「ぐりとぐら」シリーズとか、
子どもがいたら小さいときに一緒に読むのだろうけど、私にはその機会が無かったので、数十年ぶりに読むという感じです。
題名も絵も覚えているのに、内容はすっかり忘れていて、それで「懐かしい」はちゃっかりしているのかもですが。

「魔女の宅急便」は本編が6巻、スピンオフが3巻もありました。
知らなかった。こんな大作だったなんて。
ジブリ映画で見たように、魔女の子は13歳になったら家を出て一人で知らない町で魔女として暮らすことになっています。
こうして一気に読んでも、映画は原作の良さを壊すことなく作ってあったなあと思います。
(こういってはなんだけど、「君たちはどう生きるか」の映画は、私は原作の潔癖で純粋な児童文学の部分が無くなっていて、別のタイトルにすべきだと思ってます)
とはいっても、原作と映画では、登場人物や人物設定に違いがあったり、映画は短い時間で盛り上げるための見せ場もありましたが、
原作は、全6巻と長い分、キキが成長していく様子が細かく描かれていて、すごく良かったです。
同い年の町の女の子に嫉妬したり、
3巻で出てくる年下の女の子(魔女なのか単なるKYな子なのかは途中までは分からず)にキキは振り回されたり。
宅急便という仕事(人の役にたてると思ってはじめたのに、知らずに悪い気持ちを運んでしまうことにならないか、とか)や
「魔女」ということ(特別であることが誇らしかったり、皆と違うことで嫌になったり)に悩んだり、
恋に悩んだりと、今の私の年になると「10代の頃ってこんなだったかな?」という甘酸っぱい懐かしい気持ちになります。
本当にささいなことで、キキがうじうじするのがかわいらしくなるくらい。
この年になると、嫉妬とかあまりなくなるからねぇ(幸せそうなあの人も人には見せないけど辛いこともあるだろうと思えるから。負け惜しみ?)。
最後の6巻で、キキの子ども(男と女の双子)たちが出てきて、女の子のほうは「魔女になる」と言い出すのをやきもきしながら待たれるのに、男の子のほうは期待もされていないことに内心寂しく感じて、こっそりほうきで飛ぶ練習をしたりするシーンなんかも出てきます。
「魔女の血が飛ぶ」ということだけど、魔女の子でも男の子は飛べないと分かって、別の道を進むことになるのだけど、
なんだかそのあたりも今どきのジェンダーフリーの先駆けのような感じがしました。
映画も良かったけど、原作も今の子にも読んでもらいたい。

本棚には、色々なクリスマスを扱った絵本が多く並んでいました。
学芸員さん(司書さん)のセンスが光りますよね。

キキが住んだコリコの町。

朝の9時半くらいからいて、ウロウロしながら読んでいて、途中でお腹がすいたのでカフェでランチ。

「おばけのアッチ」に出てくるネズミのチとキをイメージしたサンドイッチだそうですが、チのチキンクリスプが冷たかったので想像と違って少しがっかりしました。
キの玉子とゴボウサラダのサンドイッチだけにすれば良かったです。
なぎさ公園で本を読むことも出来そうなので(寒かったからしないけど)、おにぎりでも持って行けばよかったかもかも。

この本の装丁は覚えてます。
松谷みよこ、ケストナー、リンドグレーンとか色々読んだものです。

「黒猫シアター」という参加型のアニメーションがあるのですが(1回20分で1日に何度も上映)、平日だったからか観客は私一人にスタッフさんが一人。
アニメーションのキャラクターと会話をしなければいけなくて、
(スタッフさんに「大きい声で呼びかけてください」とか言われて、一緒に「りんごちゃーん」とか言わなければならなかった)
終わってから「なんかすみません」と謝ってしまいました。
近所の図書館はあまり充実してないけど、本館に行けば児童書もあるかなあ。
なんだかこういった児童文学を読んで、純粋な気持ちを取り戻したいです。