面白い本を見つけました!
初代神武天皇の即位を辛酉革命説に従って無理に紀元前660年にしたために
でも、この本はすごく大胆!
ざっくりまとめると、
暦が伝わるまでは、古代人たちは太陽の動きで1年を数えていて、現在の暦と違う年のとらえ方をしていたと。
現在の1年にあたるものとし、
古代暦も1年が12か月あったとしているが月の満ち欠けの約15日を1か月としていたのではないかと。
古代治世年は、古代暦の1年の中間の夏至と冬至には日の出の方角が転回する日なので、古い年から新しい年へとかわる日とも考えられるため、天皇の治世については、現在の1年を4年と考える古代治世年が使われていたと。
天皇の年齢を数えるに、即位前は古代暦を使い即位してからは古代治世年を使って数えていたとします。
このようにそれぞれの天皇の実年齢や治世年数を検証しなおし、親子関係が疑わしいものは兄弟ではないかとか。開化天皇と孝元天皇は兄弟では?とか。(そもそも、初代から12代までがきれいに父子で継承しているのも疑わしい。このあたりも架空説が出るもとになるけど)
治世年数も古代は長いと思われがちですが、平均してみれば他の時代と大差ない。(院政時代は例外として)
ざっくり書いているのでマユツバに思われますが、こちらの本をお読みいただければなるほどーーと思えます。
根拠もあげて丁寧に説明してあります。
でも、私が一番読んでいただきたいのは第四章から!
これらの天皇の実年代を検証しなおしたところで、記・紀の記述と現時点で分かっている歴史上の事柄とを考察し、大胆な物語が展開されていて読んでいてすごく面白かったです。
ざっくり書くと・・・
・この「天」は注で「アマ」と読むと注釈がついていることから、天照大御神の一族は天族=海人族。
国譲り神話がありますが、天族VS出雲族の戦いがあったのでは?!と。
天孫降臨は武力侵攻を暗示しているのではないかと。
神武の東征について、なぜ、日向からはるか遠くの近畿を目指したのかですが、
ひゃーって思いました。
ネタバレになるので書きません。
ぜひ読んでみてください。
あまりに大胆でそれでいて納得できる仮説だったので、「すごーい!面白いよー!」とそばにいた師匠(夫さん)に無理やり聞かせるという迷惑行為に出てしまうほど。
以前に壮大な歴史小説のブログを読んだり、今回の本を読んで思ったこと。
「おかしい」と思ったことをつきつめて調べてみるということは大事だと頭が下がります。
寿命が古代人なのにこんなに長いなんておかしい、と思わず、もしかして?と暦から疑う。
そのために紀や記の文章を一文ずつ検証するような作業は私には到底無理だけど。
記や紀は後代に作られた作り物だと思っていましたが、案外真実へのヒントが隠されているのかも。
真相がわからないから宝探しのようで楽しいという気もします。
でも、タイムマシンがあったらあっさり答えを見たいという思いもあります(笑)。
・邪馬台国は九州にあるかどうか(私は九州派)。
はっ、これって書き出すときりがないのでこの辺で。