しゃおれんの旅日記

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芝山はにわ祭りに行ってきましたー!

千葉にはあまり知られていないのですが、相当な数の古墳があります。
でも、交通の便がどこもとても悪い。車の運転ができない私にはなかなかハードルが高かったのですが、
芝山町で開かれるはにわ祭りとその日は無料のシャトルバスがあると知ってでかけてきましたよー。
 
成田から京成線と芝山鉄道を乗り継ぎ、2駅10分なのに460円もかかってびっくり。
おまけにスイカで出られず改札口で精算。
成田空港のすぐそばで飛行機好きにはたまらないほど近くを飛行機が飛びます。
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駅前からシャトルバスが出ていました。駅前のロータリーには馬型埴輪に車と翼が付いています。
飛行機?
 
芝山千代田駅からバスで20分弱行くと、殿塚・姫塚古墳があります。
今日はここに古代人が降臨するのです。
 
 
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バスが到着して乗客が古墳に向かうと、まさに古代人たちが殿塚古墳の上に登っているところでした。
観客は多分古代人の関係者も多いと思いますが、それ以外にもカメラを持った方々でにぎわっていました。
 
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古代人が古墳に登ったところで神官の祝詞が行われ、町長さんなど来賓の歓迎の辞も読まれます。
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この後、国造のご託宣がありました。来賓あいさつや国造のご託宣の頃になると古代人の子供たちはちょっとおしゃべりしていたりして微笑ましい(笑)。それを見て「もう、○○ってば」と怒る父兄が背後にいたりして・・・

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古代人たちが町に降りてきました。手を振ってしまうあたりもかわいらしい。

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国造は堂々としてますねぇ。古代人たちは朱(べんがら)で顔に赤いお化粧をしています。
古墳の入り口のところにあった埴輪のレプリカを見ても分かるように、こちらの国造さんは三角の冠に長いあごひげをも蓄えています。この冠とあごひげというのはあまり他の地域では見られない風俗で、大和朝廷がこの地域を納めさせるのに武に強い渡来系の部族を派遣したとも考えられると博物館にありました。
確かに、これまで見た武人埴輪もみなつるりとした顔だけど、この山武式埴輪と呼ばれる埴輪は三角帽子と髭のせいでサンタクロースにしか見えないような・・・(笑)
 
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巫女の舞。途中間違っちゃったりしてそれもまたご愛敬。
 
降臨の儀が終わって古代人たちは移動。この日はその後芝山仁王尊や芝山公園で交歓の儀、行列の儀、歓迎の儀や昇天の儀など一日儀式が続きます。
でも、その前にせっかく来たから殿塚古墳に登りたい!
殿塚古墳は全長88m、前方後円墳で二段築成かな。おそらく被葬者は国造か連なる人々。
 
 
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と、ここで幼稚園くらいの男の子とそのご両親と赤ちゃんというご家族がスタッフの方と何か話している。
「GPS殿姫」というアプリの実証実験が行われていて、タブレット端末をこの古墳の各場所に向けると1956年の発掘当時の写真や説明が読めるというもの。
私も便乗してタブレットをお借りして一緒に古墳を歩きながら説明を聞いていました。
 

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とても見づらい写真ですが、タブレット端末を私のスマホで写真を撮ったもの。著作権とか心配なのでこれがギリギリかな?「ここから、内側に朱が塗られた石室が見つかったんです」とか「人物埴輪が原位置で43体見つかったのはここです」と木更津高専の先生が丁寧に話してくださって面白かったです。
 
そもそも、こちらの殿塚古墳と姫塚古墳は芝山仁王尊のものらしいのですが、当時の住職が町おこしのために発掘調査を依頼してみたら、なんと人物埴輪がたくさん見つかったということで、この地域の他の古墳にも調査が入り、一躍はにわ街道となりました。当時の早稲田の学生さんや消防団の人とかみんなで全力で掘ったとか。
 
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姫塚古墳、全長58mの前方後円墳です。姫塚古墳は殿塚古墳の陪塚ですか?と聞いたらそれは分からないとあっさり言われてしまった。
 
一緒に周ったお兄ちゃんは埴輪と化石が大好きだそうで、「うちにもはにわがある!」と言っていた。(なんでも博物館でお父さんがレプリカを買ってくれたみたい。)すごいなあ、こういう子が将来すごい発見をするはず。
 
 
この後、別の会場の芝山仁王尊へバスで移動。2.5kmの距離を今日はシャトルバスがあるから本当に安心。
 
こちらの芝山仁王尊は、奈良時代末期光仁天皇の勅命により藤原継縄が十一面観音大菩薩を安置したことに始まるという非常に由緒あるお寺。仁王門がとっても立派でびっくり。こちらの仁王様の御真影は江戸時代に火事除けのお守りとして深く信仰されていたそうです。
 
 
 
 
 
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 アプリで古墳を探検していたので、こちらでの交歓の儀は終わってしまって、古代人たちが退場するところでした。三重の塔と古代人たち。不思議な風景ですねー。

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仁王尊の中にある芝山ミューゼアムには、姫塚古墳から出土した埴輪を中心とした展示があります。サンタクロースのような武人埴輪などや、馬や猪や水鳥の頭などの動物、家や楯などの埴輪など種類がたくさん。
しかも、お祭りの日なので無料(いつもは200円)さらに、またやってしまいました。古代人コスプレ(笑)
見かけると必ずやってしまうけれど、これが自分としては一番似合うような気がする・・・

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芝山仁王尊のお次は芝山公園に移動。まず芝山町立芝山古墳はにわ博物館へ。

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横穴式石室風の入り口から中に入ります。こちらも本日無料。いつもは200円。

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入ったところで、蘇(古代のチーズ)の試食がありました。人生初蘇。

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お酒のおつまみになりそうな感じ。生乳を煮詰めただけで発酵していない乳製品で、スタッフの方が「もう作りたくないくらい面倒だけど、悪くないですよねー」と言っていた。想像以上に美味しかった。でも、お金を出しては買わないかな。
こちらの博物館には、山武型埴輪だけでなく、下総型埴輪(印旛沼手賀沼利根川流域の埴輪。小型で半身像、表情や腕などの造作があっさり。定型化して大量生産したように推測される)などの展示がありました。
 
千葉の下総型埴輪も気になるし、富津のほうにも大きな古墳があるんですよねー。どうやって行こう。なんてことを考えるのも楽しい。
 
 
 
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博物館のある芝山公園のメインステージでは歌手の方としばっこ君がコラボして踊ったり歌ったり。
他にも武道やダンス、殺陣集団の演技、フラダンスなど色々な演目があったみたいです。
 
産業祭、商工まつり、文化祭などもあわせての町をあげてのイベントでとても盛り上がっていました。
そもそも、はにわ祭りは今年で36回目ですが、成田空港建設をめぐって町内が対立していたので、町民の心を一つにしようとはじめられたイベントだそうです。

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夕方の昇天の儀が気になってましたが、古墳も博物館も堪能したので今日はこれで帰りました。大満足です。