さて、最終日は朝6時にホテルをチェックアウトしてお弁当を持ってゴールデンロックに向けて出発です。
ゴールデンロックとは、こちら
金箔が貼ってあり上に仏塔があるこの岩は、チャイテイヨー・パゴダといい、標高1101mの山頂にあり、高さ6.7m、周囲25.6m、仏塔の高さ10.79mもの大きさがあります。
人が押すとぐらぐらするそうですが、幾度もの地震でも落ちないのは仏塔にお釈迦様の聖なる髪がおさめられているからとか。お釈迦様の弟子になった聖者が聖なる髪を持ちかえり、自分の頭の形をした岩を山頂に引き上げてこのパゴダが作られたそうです。
以前は、ヤンゴンからチャイテイヨーに行くには途中のバゴーという街に泊まらないといけなかったようですが、2年ほど前に高速道路が開通し、チャイテイヨーまで片道3時間半で行けるようになったので(渋滞さえなければ)、日帰りも可能になりました。おそらくヤンゴンに来る日本人の8割くらいはチャイテイヨー観光をしているとか(ガイドのエイヤーさん談)。そのチャイテイヨー観光ですが、聖なる岩を見るだけのそんなお気楽なものではありませんでした・・・
ヤンゴンのホテルからだいたい40分くらいで高速に乗って、そこからだいたい1時間。SAで持ってきたお弁当を食べました。ガイドさんと運転手さんは美味しそうな麺の朝食。いつもの私なら食べてるけど・・・
ガイドさん曰く「このFEELというレストランは油がきれいだから安心で美味しい」とのこと。トイレもきれいでした。
高速を降りてからいくつかの街を超え、川を超え、線路を超え、2時間ほど走ります。
水田が広がって、日本のよう。水牛がいるところが知っている景色と違うかな。
ミャンマーは年に3回お米がとれるそうです。
さて、チャイテイヨー観光の拠点、キンプンという街につきました。
ここは、トラックバスのターミナルがあり、山頂までトラックの荷台を改造したトラックバスに乗りこみます。
一列7人×7列だったかな。とにかくぴっちり。隙間があると揺れた時に落ちてしまうから。
この写真はまだ隙間があるころ、その後さらに追加されてぴっちりになりました。
というか、ぴっちりにならないと出発しない。係の人が「ここにあと一人!」とか言って詰め込む感じ(笑)
隣の人と密着です。前後の隙間もかなり狭いからお相撲さんや太った欧米系外国人は乗れないと思います。
私の隣は幼稚園生くらいの男の子、お母さんの膝に乗っています。
「ミンガラバー(こんにちは)」とあいさつをするとニッコリしてくれて「ミンガラバー」と返してくれる。
あぁー、こんな日に限って飴を持ってないなんてーーー。
そして、結構な山路を登ります。かなり怖い。
ヒノのトラックだったけど、中古だよね?これ、どれくらいの割合でメンテしてるの?とか不安がいっぱい。
風がバーバー吹いているので、「ワワワワワ~」と声を出すと隣の男の子も喜んで二人で「ワワワワワ」
(子供の頃、扇風機に向かってワワワワワとか言いませんでしたか?あんな感じです)
怖いので前の棒をしっかり握る。強く握っていたからか降りたら掌真っ白に。
道が悪いので首がぐらぐらします。
師匠(夫さん)が私を見て、乗客で首がぐらぐらしているのは、私と隣の男の子だけという。
「動きがシンクロしてる」と笑う。
どうしてみんな揺れないのーーー?!
日頃から↓のようなバスに乗っているから体幹鍛えられているのかな?
普通の大型バスもありましたが、こういった軽トラを改造したバス?タクシーもたくさん走っていました。
30分くらい山道を登ると、ミャンマー初のケーブルカーがありました。
外国人は片道5USDか7000MMKという相当なお値段。しかも、10分ほどしか乗れないし。
ケーブルカーに乗りたい人が乗るもので、それほど便利な感じがしませんでした。
途中、乗車料金を支払うところや、寄付金を集める場所(降りてくるトラックとのすれ違いも兼ねているみたい)で停車しましたが、約40分ほどで山頂に着きます。
トラックバスを降りたときは、ほっとしました。
バスを下りたら、参道のようです。両側に色々な屋台が出ていて、観光客もたくさんいます。
ガイドさん曰く「この山頂にあるホテルに泊まって夕日や朝日を見るのも人気」「ミャンマー人にとっても人気の観光地。軍事政権時代は旅行はできなかったけど、今は行きたいところに行けるようになって嬉しい」
お供えするお花をガイドのエイヤーさんが買ってくれました。
お土産物屋さんには、ゴールデンロックの置物多数。
漢方薬のような薬もたくさん売っています。
かわいいお坊さんが走ってくると思って見たら、
籠に入れられて運ばれていく双子ちゃん?かわいい。
その奥には頭におおきな荷物を載せている奥さんもいる。
お坊さんもまぶしいのでサングラスが欲しいみたい。
ミャンマーは、人生で二度出家するそうです。
子供の時に3日から1週間くらい。そして、大人になってからは自分の気が済むまで修行するそうです。
「ビルマの竪琴」の中にも「一生のうちに一度は軍服を着る国と袈裟を着る国はどちらが幸せなんだろう」というセリフがあったような・・・。それだけ仏教が身近まものであれば托鉢にごちそうをいれたくなりますよね。
途中、外国人専用のチェックポイントがあって、一人あたり10000MMKの入域料を払います。
そして、もらったカードを首から常にかけていないといけないです。
さて、いよいよチャイテイヨーの境内に着きました。
ここからは裸足です。小石がけっこう痛いです。
チャイテイヨーは男性しか金箔を貼れないそうなので、師匠(夫さん)に代表して貼ってもらう。
金箔を貼った後、額を岩につけて祈りを捧げると叶うとか。
ガイドさんに「写真を撮るからなるべく手前に来てください」と言われたけど、崖から落ちそうで怖かったそうです。
この写真でわかるかなあー。微妙に岩と崖の間に隙間があること。
押したり、風でも揺れるそうです。でも、落ちない。
ガイドのエイヤーさんも交えて記念撮影。
下から見ると本当に落ちてきそう。不思議だ。
その後、境内にあるお願い石に願掛け。
まず、石を持って、お願いをする。その後、石が「重くなる」と思って重かったら願いが叶い、
石が「軽くなる」と思って軽かったらその願いが叶うそうです。日本のお願い石より柔軟性高いかも。
ボーボージーというナッ神様。エイヤーさんは説明があっさり。
どうして神様になったのか不明。
途中、写真を撮っているご夫婦がいたので私たちが映り込まないようによけようとすると、手ぶりで「一緒に写って」と言う様子。エイヤーさんが「一緒に撮ってほしいそうです」という。なぜか、奥様と私、そして師匠まで一緒に写真を撮る。「村の人は外国人が珍しいので、一緒に写真を撮りたいです。日本人は色も白いし珍しいから」
帰りのバスターミナルでも、おばあちゃんに一緒に写真を撮ってと頼まれました。
アジア系でなく欧米系の外国人ならもっと珍しいのにいないから残念ですねぇ。やっぱりあのトラックバスに乗れないんだわ。
さて、あれこれ写真も撮りまくり、不思議な石に満足して帰ることに。
午前11時すぎ、そろそろ暑くなってきました。
参道もこれから登ってくる人は少なくなってきたみたい。(また夕方増えてくるらしい)
帰りのバスターミナルには時刻表もなく、係の人もいなくて、トラックが来たら我先に乗りこむ。
ひゃー。すごいねぇ。頑張って乗らなくちゃ!とひそかに闘志を燃やすも、3台ほど乗れずに諦める。
次に来るバスには乗りこみたい。
ガイドさんも「帰りのバスを待つのがいつも時間がかかります」という。師匠(夫さん)は「事前に整理券を配って、整列させて乗ればこんなことにはならないのに、これじゃあいつまで待っても乗れない」とイライラ。トラックが来るのを待っていると、行きに隣だった男の子に会う。「ミンガラバー♪」とお互い笑顔で挨拶。でも、それ以外の言葉を知らないので会話にならず。
バスターミナルで待つこと40分くらい。やっと乗りこむことができました。ヨカッタ、帰れる。
驚くのは、これほど揺れるトラックなのに、乗ってる子供たちがケンカしたり、ギャーギャー言わないこと。
兄弟同士で密着してたらなんとなくケンカが始まったりしそうなのにすごいなあ。ものすごくゆれるのに寝れるのも驚き。帰りは師匠の隣は小さな女の子だったそうですが、お父さんの膝の上にいるのに、下りの坂がきつい時はこわいのか、間違って師匠の膝をきゅーっとつかんでいたそうです。かわいらしい。
キンプンのバスターミナルに戻ってきたときは「無事に帰ってこれて良かったー」としみじみ。
師匠が「年取ったらここには来れないと思う」というほど。確かに、そう思う。
聖なる石を見た感動よりも、往復のトラックバスの印象のほうがよほど強いですが、ここもぜひ(笑)
ミャンマーの人たちの信心深い様子も興味深いものでした。
政治的には色々問題あるようだし、経済的な面はビジネスマンにお任せするとして、
東南アジアで旅行するならどこがお薦め?と聞かれたら、私はミャンマーをお薦めします!
金ぴかのパゴダ、バガンの煉瓦むき出しのパゴダ、たくさんの仏像等々
人が親切で、観光客が少なくてゆっくり観光できて、治安がよくて、物価が安くて・・・
記念すべき40か国目の国(乗換だけのUAEやカタール、かつてのポルトガル領マカオや英領香港もいれての数。純粋に今ある国で入国した国なら36か国目)。まだまだ世界には素敵なものがたくさんあるなあと感動です。これからも行きたいところがたくさんあるのに、世界が平和でなくっちゃ困るのよー、ホントに。