12番札所岩間寺
岩間寺は今年開山千三百年記念ということで、特別拝観の千手観音御開帳がありました。
ご本尊 千手観世音菩薩(特別拝観で拝むことができました)
水上は いづくなるらん 岩間寺 岸打つ波は 松風の音
元正天皇の病を法力で治した泰澄大師が養老6(722)年に建立。ご本尊は毎夜厨子を抜け出して苦しむ人々を救済して汗びっしょりで戻られたという伝説から汗かき観音さんと呼ばれている。雷除け、ぼけ封じの御利益も。
午前中の予定をざくざくと済ませて、ランチから滋賀に実家がある友人も合流です。
ランチは「セジール」で近江牛
こちらのお店は友人が予約してくれました。
以前は「お任せではなくて私も調べた方がいいかな」とか思っていましたが、グルメな友人たちに任せた方がはるかに美味しい店に出会えるので最近では丸投げです。
熟成した肉と経産牛となんだったかなー、説明を聞いて友人のチョイスに任せて美味しくいただきました。
ローストビーフとパテとベーコンのどれもが美味しい。そして量が多い。
奥がキノコの手打ちパスタ、左がチーズと春菊のスパゲティ、右が平打ち麺のミートソースで、美味しくて甲乙つけがたし。
どれも味がしっかりしているから、三等分して食べてちょうど良かったです。
久しぶりにしっかり肉を食べました。美味しかったー。
家で焼肉するな(新築の家に匂いが着くから)と亡き夫さんに言われていたから、未だに家で焼肉やステーキも自粛しているので(笑)
5280円というかなり贅沢なランチでしたが、日ごろ納豆かけご飯の昼食で過ごしているからまあいいでしょう。
隣にお肉屋さんも併設しているので、友人は家にお肉を送っていました。
大人になってから「旅先から実家に美味しいものを送る」人を見て、「家族が仲良くていいなあ」と思う。
私は実家に何かを送ってあげようと思ったことがない。家族に好き嫌いが多いから、下手に送っても喜ばれないし。
こういうところでが何か人間形成に影響するんじゃないかと思ったりもします。
32番観音正寺へはお早めに
のんきに豪華なランチを食べ、お肉を選んだりして3時近くになってから観音正寺へ出発。
近江八幡には、この観音正寺と長命寺があるので、本当なら一気に行きたいところですが、観音正寺でさえ間に合うかな?
お寺は17時までとガイドブックにありましたが、林道を登って行くらしい。
友人のドライビングテクニックに頼り切って、車内では松任谷由実のアルバムを荒井由実時代からずっと流し、曲にちなんだ思い出話に花を咲かせていました。
さて、林道の入口についたのは16時10分ごろ。
ゲートが半分しまっています。
中からおじさんが出てきて私たちに言います。
おじさん「おしいなあ、あと10分早ければ」
友人「えぇー、なんとかなりませんか」
おじさん「暗くなると危ないんだよね。あ、レンタカーか、どこから来たの?」
友人「東京から来ました!」
あきらめかけたその時、
おじさん「うーん。それじゃ、車そこに停めて。俺が上まで送ってってあげるよ」
「ありがとうございます!」
てな感じでおじさんの運転で終点駐車場まで送ってもらったのでした。
(はじめ、私たちは帰りも乗せてくれると思って「急いで帰ってきます!」とか言ってたのですが、上についたら「じゃ、がんばって」とあっさり帰っていかれました。
帰りは暗い林道を女3人、25分かけて歩いて下りました)
夏はともかく、陽の短い季節は早めにいかないと参拝できません。
この日、ここを参拝できるかどうかはかなり重要だったので、親切な係の方に出会えて本当に助かりました。
おまけにこの林道の途中に観音寺城という六角氏の山城があるのですが、そのことに気づいた私が話をふると、おじさんは親切にもそのチラシをゲートのところに置いてくれていたのでした。帰りにもらって帰りました。
ほぼ登山な感じです。チラシをくれたけど、多分登りには来ないと思う。
32番観音正寺は茜色
駐車場から観音正寺までは300mくらいの急な石段です。
友人の一人はトライアスリートなので健脚でどんどん上がっていきます。
私は石段が嫌いではないですが、友人の一人が遅れがち。
遅れると真っ暗になりそうで焦りながら登りました。
でも、上に着いたらとってもきれいな茜色でした。
ご本尊 千手千眼観世音菩薩(常に参拝可能。インドから輸入した23tの白檀で造られたというりっぱな木彫の観音様です)
あなとうと 導きたまえ観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを
霊山である繖山に天人に導かれて訪れた聖徳太子が、瞑想をし祈りをささげ、千手観音像を刻み安置したのが始まり。その時に救いを求めてきた人魚のために祈りを捧げ人魚を救ったという伝説があります。
こちらのお寺は1400年もの間、33年に一度秘仏の御開帳の儀式が行われてきたのですが、平成5年の大火により本堂と共に秘仏も焼失。本堂再建とともに総白檀の丈六千手観世音菩薩がご本尊として鎮座することになりました。
平成24年に土蔵から焼失した前の秘仏のお前立が見つかり、こちらを修復して新しい秘仏として、聖徳太子1400年御遠忌を機縁に御開帳の儀式が蘇りました。
御開帳の期間には、脇侍の毘沙門天、不動明王も宮殿に入仏され三尊秘仏が蘇ります
(いただいたチラシを要約)
ちょうどお参りに訪れたときには、この三尊秘仏の御開帳だったのですがもう閉まる寸前だったので残念ながらお参りはご本尊だけでした。
アルプスの少女ハイジで「おひさまが(オレンジ色に山を染めて)山にさよならを言う」というシーンがあるのですが、まさにそんな感じでした。
友人たちと思わず写真を撮りまくっていたけど、私のスマホの性能の限界か、見たときほど感動しない・・・
きれいな夕日と間に合って良かったという満足感でしゃべりながら薄暗い林道を歩いていました。
「やっぱり、〇ちゃんの『東京から来ました』が効いたんだよ」
「ほんとだねー、言ってみるもんだねー、親切だったねー」とか。
この日はランチから合流した友人のご実家に泊めていただいて、家庭料理の域を超えた料亭のような豪華な食事(一人にいっぱいずつ番号札のついた蟹がでた!)に恐縮しつつも食べつくし、仲の良い友人家族の光景に心癒されたのでした。
それにしても、どんどんお酒をだしてくれるものだから話が延々と盛り上がって(私は飲んでないけど)、夜中の12時過ぎまで話につきあってくださったご両親に感謝です。
「お母さん美人でしょ」「うちのお父さん素敵でしょう」と本当にご両親が好きなことが伝わるように言われると、本当に美男美女だし、羨ましいけど嫌な感じはしない。
むしろ好ましい。
日本は自分の家族を謙遜なのか卑下したり、もしくは自慢してマウント取ったりする人がいるけれど、純粋に「うちの家族は素敵」って言ってもいいのにね。