ウシュマル遺跡は7~10世紀頃に繁栄したとされるマヤ文明の遺跡です。チチェンイッツァーと同盟を結びユカタン半島全域を支配していたとも言われています。
プウクという丘陵地帯にあり、他のマヤ文明とは異なる独特の建築様式を持っていて「プウク様式」というそうです。
スペイン人に破壊されることもなくジャングルの中でそこそこ良い状態で保存されていたとのことです。ありがたい!
メリダからは約1時間半ほどで着きました。
魔法使いのピラミッド
まず、チケット売り場、トイレ、お土産店などがある事務所に行きます。
そして、いよいよ見学開始。
ちらりと見えるその姿に、団体でなければ走っていたかもしれない。
ティオティワカン遺跡からテンション上がりっぱなしです。
こちらのピラミッドは、魔法使いの息子の小人が一日で建てたという伝説があるので「魔法使いのピラミッド」とか「小人のピラミッド」と言われているそうです。
ピラミッドは四角錘が多いですが、こちらは角が丸くて優美な感じ。
しかも1段が長くて急なものはとても珍しい。
もともとは四方に階段があったそうですが、修復するときに東西面のみ修復したそうです。
ピラミッドの頂上に神殿があり、昔はこの階段を登れたそうですが現在は遺跡保護のため登れなくなっています。
写真に写っているのは我が師匠(夫さん)、師匠は180cmあるのですがピラミッドが巨大ということがわかりますよね。
観光の順序は最終盤なのですが、このピラミッドの反対側(西側)はこんな感じ。
こちらが正面です。
こちら側の階段の両側と神殿の入口には雨の神様チャックがいます。
ティオティワカン遺跡では彫刻を見られなかったのですが、マヤ遺跡には複雑な装飾がたくさんあって面白かったです。
それにしても、現地ガイドのSさん。
建物の説明をしていたかと思うとすぐに芸能人のロケ話に脱線する。
「世界ふしぎ発見!のロケで~」とか「浅野ゆうこさんは細くて美人だ」とかそんな自慢話はどうでもいいです!
ユカタン半島にはイグアナがたくさんいます。遺跡内にも普通にいます。
人間に害をなすことはないのですが、爬虫類が苦手な私としてはちょっと怖いです。
総督の館
遺跡のほぼ中央にある大きな建物が総督の館です。この名前はスペイン人がつけたもので大きいからだそうです。
この建物は巨大な人工の基壇(187×153m)の上に立つ長さ100mほどの建物です。
その広さで高さ12mにもかさ上げするってどれだけの力を持っていたんでしょうねぇ。
その基壇に登ると総督の館があります。
神殿?支配者の住まい?解明されていません。
壁面の装飾は雨神チャックとうずまき模様が波のようになっています。
画像の処理が下手ですみません。
鼻はとれています。
上にはチャック像。真ん中には双頭の蛇が8匹。その上にも神様の像がいます。
中央の建物と両隣の建物はマヤアーチという三角のアーチで繋がっています。
さて、この神殿の前に斜めに突き刺さっているものは大地を女性にみたてた豊穣祈念としての男性のシンボルだそうです。この遺跡からこういったものがたくさん出てきているとのことです。
ヒンズー教も男女のシンボルをごく普通にお参りしてましたね。
総督の館には登れるし入れます。(といっても中に特に何があるわけでもないですが)
ただ、この上から見る景色が素晴らしいです。
カメの家
なぜカメの家かというと、この建物の上のほうにカメの彫刻がついているからなんです。
亀は雨に関連すると思われていたようです。ウシュマル遺跡のある地域は雨が少ないので、雨の神様チャックのように信仰されていたようで、この建物で雨乞いの儀式をしたのでは、と現地ガイドのSさん。
大ピラミッド
亀の家を見て、総督の館の奥にあるのが大ピラミッド。
どどーんと現れてきます。
添乗員さんは「無理に登らなくてもいいんですよー」というけれど、登山が趣味の私は、そこに登れるピラミッドがあったらやっぱり登りたい。
大ピラミッドの上に神殿があります。
こちらの装飾も複雑で面白いです。ガイドさんの説明はなかったので想像です。
眺望を堪能したので降ります。ピラミッドは降りるほうが怖い(いつも言ってる)
大ピラミッドの奥にハトの家というのがあります。
この壁だけ残っていて、ハト小屋みたいに見えるからという命名の仕方。
本来は何に使われた建物だったのでしょう?
球技場
マヤ遺跡には球戯場が多く残されています。このゴールは修復されたものです。
ゴムでできたボールをゴールに蹴って入れて競うもので負けたほうは生贄にされるとか、生贄は名誉あることなので勝者が生贄にされたとか諸説あります。
ウシュマル遺跡の球戯場は4人制球技だったとSさん。後で行ったチチェンイッツァー遺跡の球戯場は7人制ということで確かに大きかったです。
尼僧院
球戯場から見えていた神殿群。尼僧院というのはスペイン人が名付けたもので中庭を囲んで東西南北に建物がある様子が尼僧院のようだから。実際は支配者の神殿(宮殿?)だったのではと言われています。
この建物もそうですが、四角い石をただ積んだだけに見えますが、実際には表面には漆喰を塗って彩色もしていたそうです。
北側の神殿が一番大きいので格式が高かったとsさん。
正面にマヤの神聖文字の石碑があります。
スペイン人が侵略した時にマヤの文書をほとんど焼き尽くしてしまったのでその後の研究が困難になってしまったそうです。
左側にチャックが縦につながっている彫刻があり、右手に家の上に波状になっている蛇がいる彫刻があります。
建物の角にはチャックが重なっています。
右から渦巻模様。隣がマヤの民家。渦巻模様に人物像。渦巻の上にガラガラヘビ(この蛇の体が長く伸びて中央でネジネジになってます)。そしてチャック。
この建物の彫刻が一番凝っていて、Sさんも丁寧に説明してくれました。
が、気を抜くとすぐロケ撮影に参加した自慢話になる(怒)
東側の神殿は双頭の蛇の模様が繰り返されています。
そしてこの神殿の横を通って魔法使いのピラミッドへ。
これで、ウシュマル遺跡の見学終わり。
小ぶりながら建物がぎゅっと凝縮されて充実していました。
ティオティワカン遺跡とチチェンイッツァー遺跡がメインと思っていたけど、ウシュマル遺跡もかなりお薦めです!